検索結果詳細
『義血侠血』
青空文庫
美人は片すみにありて、応募の最終なりき。隗の帽子は巡回して渠の前に着せるとき、世話人は辞《ことば》を卑《ひく》うして挨拶せり。
「とんだお附き合いで、どうもおきのどく様で
ござ
います」
美人は軽《かろ》く会釈するとともに、その手は帯の間に入りぬ。小菊にて上包みせる緋塩瀬《ひしおぜ》の紙入れを開きて、渠はむぞうさに半円銀貨を投げ出だせり。
84/706
85/706
86/706
[Index]