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 『五大力』 従吾所好

「其だつて、顔は見せます。三日月が二日月だつて、月の裏ばかり見たものは天文台にも恐らくなからう。それが、しまひまで向うむきさ。襟の掛つた、ずんどの友染に、たぼと鬢が附着いて、鼈甲羅宇を突支棒にしたと云ふ、変なものを見て来たんだから察して貰ひたいな。
 ……尤も対手を変だと云ふ、此方も少し何うかして居さうで無理もないが、」
 硝子杯を挙げた、袖の下を両方透して、

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