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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 変に跨ぎ心地が悪うございますから、避《よ》けて通ろうといたしますと、右の薄光りの影の先を、ころころと何か転げる、忽ち顔が露れたようでございましたっけ、熟《よ》く見ると、兎なんで。
 ところでその蛇のような光る影も、向かわって、また私の足の出途《でさき》へりましたが、兎はくるくると寝転びながら、草の上を見附けの式台の方へ参る。

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