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『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径
もと花畑であったのが荒れましたろうか。中に一本、見上げるような丈のびた山百合の白いのが、うつむいて咲いていました。いや、それにもまた慄然《ぞっ》としたほどでございますから。
何事がございましょうとも、自力を頼んで、どうのこうの、と申すようなことは夢にも考えてはおりません。
しかし貴下《あなた》は、唯今うけたまわりましたような可恐《おそろし》い只中に、能く御辛抱なさいます、実に大胆でおいでなさる。」
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