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 『木の子説法』 青空文庫

 質の出入れ――この質では、ご新姐の蹴出し……縮緬《ちりめん》のなぞはもう疾《とっ》くにない、青地のめりんす、と短刀一口《ひとふり》。数珠一聯《れん》。千葉を遁げる時からたしなんだ、いざという時の二品《ふたしな》を添えて、何ですか、三題話のようですが、凄《すご》いでしょう。……事実なんです。貞操の徴《しるし》と、女の生命とを預けるんだ。――(何とかじゃ築地へ帰《けえ》られねえ。)――何の事だかわかりませんがね、そういって番頭を威《おど》かせ、と言いつかった通り、私が(一樹、幹次郎、自分をいう。)使《つかい》に行ったんです。冷汗《ひやあせ》を流して、談判の結果が三分、科学的に数理で顕《あらわ》せば、七十と五銭ですよ。

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