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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
「私くらい臆病なものはありません。……臆病で仕方がないから、成るがまかせに、抵抗しないで、自由になっているのです。」
「さあ、そこで
ござ
います。それを伺いたいのが何より目的《めあて》で参りましたが、何か、その御研究でもなさりたい思召《おぼしめし》で。」
「どういたしまして、私の方が研究をされていても、此方で研究なんぞ思いも寄らんのです。」
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