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 『婦系図』 青空文庫

 この忠義ものは、二人の憂《うれい》を憂として、紺屋から帰りがけに、千栽ものの、風呂敷包を持ったまま、内の前を一度通り越して、見附へ出て、土手際の売卜者《うらない》に占《み》て貰った、と云うのであった。
 対手《あいて》は学士の方ですって、それまで申して占て貰いましたら、とても縁は無い断念《あきら》めものだ、と謂いましたから、私は嬉しくって、三銭の見料へ銅一つ発奮《はず》みました。可い気味でございますと、独りで喜んでアハアハ笑う。

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