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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
と、うっとりといった目の涼しさ。月の夢を見るようなれば、変った望み、と疑いの、胸に起る雲消えて、僧は一膝進めたのである。
「大空の雲を当てに何処となく、
海
があれば渡り、山があれば越し、里には宿って、国々を歩行《ある》きますのも、詮ずる処、或意味の手毬唄を……」
「手毬唄を。……如何な次第でございます。」
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