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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
年を取るに従うて、まるで貴僧《あなた》、物語で見る切ない恋のように、その声、その唄が聞きたくッてなりません。
東京
の或学校を卒業《で》ますのを待かねて、故郷へ帰って、心当りの人に尋ねましたが、誰のを聞いても、どんなに尋ねても、それと思うのが分らんのです。
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910/1510
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