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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 東京の或学校を卒業《で》ますのを待かねて、故郷へ帰って、心当りの人に尋ねましたが、誰のを聞いても、どんなに尋ねても、それと思うのが分らんのです。
 第一、親の姉ですが、私の学資の世話をしてくれます、叔がそれを知りません。
 唯《ト》夢のように心着いたのは、同一《おなじ》町に三人あった、同一《おなじ》年ごろの娘です。

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