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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
東京の或学校を卒業《で》ますのを待かねて、故郷へ帰って、心当りの人に尋ねましたが、誰のを聞いても、どんなに尋ねても、それと思うのが分らんのです。
第一、
母
親の姉ですが、私の学資の世話をしてくれます、叔
母
がそれを知りません。
唯《ト》夢のように心着いたのは、同一《おなじ》町に三人あった、同一《おなじ》年ごろの娘です。
909/1510
910/1510
911/1510
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