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 『五大力』 従吾所好

「貴女を弁天様だつて申します、否、真個の御堂の中の……かなんか、傍のものが言ふので、つい、自分でも許す容色だもんですから、好事〈ものずき〉に、歩行くのを、夜分、池の周囲ばかりにして、月夜には……暗夜〈やみよ〉だと故々鉄燈篭を女中に持たせて、それに殊更に褄下ばかり低い所を照させて、からん、ころんと……別誂への高木履に、晃々蒔絵を蒔かせて、しまひには無垢で、片化粧なんかしたんですつて。」

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