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『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径
笄落し、
小枕落し、)
と、よく私を遊ばせながら、母も少《わか》かった、その娘たちと、毬も突き、追羽子もした事を現のように思出《おもいだ》しましたから、それを捜せば、きっと誰か知っているだろう、と気の着いた夜半《よなか》には、むっくり起きて、嬉しさに雀躍《こおどり》をしたんですが、貴僧《あなた》、その中の一人は、まだ母の存命の内に、雛祭の夜なくなりました。それは私も知っている――
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