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『貝の穴に河童の居る事』
青空文庫
「ええ、その番頭めが案内でしゅ。円髷《まるまげ》の年増と、その亭主らしい、長面《ながづら》の夏帽子。自動車の運転手が、こつこつと一所に来たでしゅ。が、その年増を――おばさん、と呼ぶで
ござ
いましゅ、二十四五の、ふっくりした別嬪《べっぴん》の娘――ちくと、そのおばさん、が、おばしアん、と云うか、と聞こえる……清《すずし》い、甘い、情のある、その声が堪《たま》らんでしゅ。」
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