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『五大力』
従吾所好
二十九
「処で――又其の遊女なんです。叔父さん……此は冬木の弁天様へ、……茶断塩断……と云つた処で、茶も塩も勝手には成らなかつた落魄〈おちぶ〉れやうでありませうが、……断食と云ふ一念で、毎晩日参をしたさうです。――其の目の球の赤剥げにぶら下る、骨と皮ばかりで、下腹の膨らむ、難病の願掛けに、――
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