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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
「背後《うしろ》が直ぐ山ですから、一寸々々《ちょいちょい》見えますそうです、兎でしょう。
が、似た事のありますものです――その時は小狗でした。鈴がついておりましたっけ。
白
垢《むく》の真
白
なのが、ころころと仰向けに手をじゃれながら足許を転がって行きます。夢のようにそのあとへついて、やがて門札《もんさつ》を見ると指した家で。
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