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 『五大力』 従吾所好

 其まで、たとへやうのない屈託をして、生命がけの心願しただけ、さあ、夢でも現でも、現在、治して遣らうと告げられたので、甦つたやうに成つて、非常に喜んで居たさうです……
 処へ、嘘だと分つたでせう。弁天様は霞と聞いて、それが人も知つたしいのだ、と云ふだけに、えゝ口惜しい、口惜しいと、難病の遊女は赫と逆上せました。固より心痛のために、気も上ずつて居たつて言ひます……石置場へ沈みました。

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