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『外科室』
青空文庫
「さ、殺されても痛かあない。ちっとも動きやしないから、だいじょうぶだよ。切ってもいい」
決然として言い放てる、辞色ともに動かすべからず。さすが高位の御身とて、威厳あたりを払うにぞ、満堂斉しく声を呑み、高き咳《しわぶき》をも漏らさずして、寂然《せきぜん》たりしその瞬間、先刻《さき》よりちとの身動きだもせで、
死
灰のごとく、見えたる高峰、軽く見を起こして椅子を離れ、
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