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 『五大力』 従吾所好

 鰻でも水の上を渡ると思ふ……黒い筋がスーツと浮いて、急ぐやうに近寄つたんです。
 最う、欄干の下、二三間さきから水人だと知れました。
 直立つて言ひませう、あの形で、両手をぴつたりと両傍へ、腰の左右へきしツと着けた……浮いてるのは、其の頭〈かみ〉の髪〈け〉の解れたので、がつくり、叩頭〈おじぎ〉をするやうに俯向いた。が、すつと、水の中に立つて居ます。

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