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『五大力』
従吾所好
欄干の下を通ると見ると、水草の根が切れたやうに、底から、ぼろ/\と静かな水銀の泡が立つて、ぶくりと仰向に成つた顔が、其の
赤
めくれの、どろんと目球がぶら下つて、――私は話すのも気の毒です――一目見るうちに、何うしたんだか、手は手、足は足と一ツづゝに岐れて、首も離れた、乳のついた、腹ばかりが、先へ立つて、ずる/\引ずつて流れて行く。
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