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『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径
娘は、誰も勝手を知らない、その家で、その丑待《うしまち》を独《ひとり》でして、何かに誘われてふらふらと出たんですって。……それっきりになっているんですもの。
手のつけようがありますまい。
いよいよとなると、なお聞きたい、それさえ聞いたら、亡くなった母親の顔も見えよう、とあせり出して、山寺にありました、母の墓を揺ぶって、記《しるし》の松に耳をあてて聞きました、松風の声ばかり。
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