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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
手のつけようがありますまい。
いよいよとなると、なお聞きたい、それさえ聞いたら、亡くなった
母
親の顔も見えよう、とあせり出して、山寺にありました、
母
の墓を揺ぶって、記《しるし》の松に耳をあてて聞きました、松風の声ばかり。
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