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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

百合 裏の崕《がけ》から湧《わ》きますのを、筧《かけひ》にうけて落します……細い流《ながれ》でございますが、石に当って、りんりんと佳《い》い音《ね》がしますので、この谷を、あの琴弾谷《ことひきだに》と申します。貴客、それは、おいしい冷い清水。……一杯汲んで差上げましょうか。
学円 何が今まで我慢が出来よう、鐘堂《つりがねどう》も知らない前に、この《うつくし》い水を見ると、逆蜻蛉《さかとんぼ》で口をつけて、手で引掴《ひッつか》んでがぶがぶと。

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