『泉鏡花を読む』サイト内検索

 
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泉鏡花 ( 83-6.html )
・山田有策 未成熟と夢−「化鳥」論−

特集 泉鏡花−怪奇と幻想 ( 89-11.html )
・石原千秋 『化鳥

泉鏡花幻想文学誌 ( 91-8.html )
泉鏡花作品論事典 (秋山稔・越野格・須田千里・田中励儀・弦巻克二・松村友視)〔改行〕〔改行〕冠弥左衛門 義血侠血 夜行巡査 外科室 鐘声夜半録 貧民倶楽部 照葉狂言 龍潭譚 化鳥 鶯花径 三尺角 湯島詣 高野聖 註文帳 薬草取 風流線 春昼・春昼後刻 婦系図 草迷宮 白鷺 歌行燈 夜叉ヶ池 天守物語 由縁の女 眉かくしの霊 山海評判記〔改行〕

雑記帖 ( cahier.html )
・ 鏡花の「化鳥」はまったく凄い。今日はその「化鳥」の凄まじい語りを鏡花抄に追加しました。鏡花の小説に実の母と子が出てくるのは意外と少なく、「化鳥」はそのまれなものの代表作だと思います。鏡花抄に引用したのは少年の言葉ですが、そこには母の血まみれの肉声が重なっています。

・ この二重性を「化鳥」全体に適用すること。すなわち少年の物語から母の物語を読み取ること。そうすれば少年が化鳥と遭遇した物語はまた、母が誰かと遭遇した物語でもあることが露呈します。では誰との遭遇でしょう。おそらく今より若く裕福だった頃の彼女自身との遭遇……。

・ 「高野聖」の女と白痴の少年は夫婦で、しかも擬似的な姉弟であり、とりわけ擬似的な母子でもあります。ここに「化鳥」母子のその後のありようを垣間見ることはできないでしょうか。人を獣に喩える術と、人を獣に変える術とに大きな違いはなさそうな気がするのです。等々。

『泉鏡花集成』 ( chikuma.html )
・ 3〔改行〕 誓之巻 照葉狂言 化鳥 清心庵 龍潭譚 勝手口 湯島詣 葛飾砂子 註文帳 [解説]種村季弘「女の世界」

鏡花作品紹介 ( cont.html )
化鳥〔改行〕〔改行〕 明治30年4月「新著月刊」初出、明治42年4月『柳筥』(春陽堂)所収〔改行〕〔改行〕 豪邸の奥方として裕福な暮らしをしていた頃、母はある日猿回しの老人と会った。老人は世間の冷たさを恨み、猿を土手に残して去る。猿も同然の人々だから同じ仲間である猿を餓えさせることはあるまいと。その時母の胎内にいたのが、語り手の少年廉である。そして今、零落して父もなく、橋の通行人からあがる橋銭で母と子二人かろうじて暮らしている。母は猿回しの老人と同じ思考法を廉に伝授する。世間の人間はみな禽獣と変わらぬ「畜生め」なのだという、母と老人と廉しか知らぬ「ありがたい」教えである。ある時猿をからかっていた廉が川に落ちる。廉を助けてくれたのは羽の生えた美しい姉さんだと母はいう。どうやらその人だけは畜生ではないらしい。もういちどその人に会いたくて探しに行った梅林の中で、廉は自分が鳥になりそうな気がして叫び声をあげる。その時抱きしめてくれたのは、心配して廉を探しに来た母だった。姉さんに会うためにまた溺れてみようか、でもまあいい、母様がいらっしゃるから、母様がいらっしゃったから。〔改行〕〔改行〕 鏡花初の口語体小説。

鏡花作品紹介 ( content.html )
化鳥〔改行〕〔改行〕 明治30年4月「新著月刊」初出、明治42年4月『柳筥』(春陽堂)所収〔改行〕〔改行〕 豪邸の奥方として裕福な暮らしをしていた頃、母はある日猿回しの老人と会った。老人は世間の冷たさを恨み、猿を土手に残して去る。猿も同然の人々だから同じ仲間である猿を餓えさせることはあるまいと。その時母の胎内にいたのが、語り手の少年廉である。そして今、零落して父もなく、橋の通行人からあがる橋銭で母と子二人かろうじて暮らしている。母は猿回しの老人と同じ思考法を廉に伝授する。世間の人間はみな禽獣と変わらぬ「畜生め」なのだという、母と老人と廉しか知らぬ「ありがたい」教えである。ある時猿をからかっていた廉が川に落ちる。廉を助けてくれたのは羽の生えた美しい姉さんだと母はいう。どうやらその人だけは畜生ではないらしい。もういちどその人に会いたくて探しに行った梅林の中で、廉は自分が鳥になりそうな気がして叫び声をあげる。その時抱きしめてくれたのは、心配して廉を探しに来た母だった。姉さんに会うためにまた溺れてみようか、でもまあいい、母様がいらっしゃるから、母様がいらっしゃったから。〔改行〕〔改行〕 鏡花初の口語体小説。

泉鏡花を読む ( index.html )
・ 青空文庫  外科室、国貞えがく、義血侠血、夜行巡査、雛がたり 二三羽――十二三羽、龍潭譚、高野聖、醜婦を呵す 婦系図、眉かくしの霊、愛と婚姻、人魚の祠、草あやめ いろ扱ひ、蛇くひ、絵本の春、木の子説法、半島一奇抄 貝の穴に河童の居る事、縁結び、湯島の境内、薬草取 歌行燈、玉川の草、古狢、夜叉ヶ池、若菜のうち、化鳥 紫陽花、星あかり、妖僧記、凱旋祭、海城発電、草迷宮 女客、錦染滝白糸、紅玉、小春の狐、伯爵の釵、鷭狩 みさごの鮨、怨霊借用、売色鴨南蛮、縷紅新草、遺稿 三尺角、三尺角拾遺(木精) 等200編

『新編 泉鏡花集』(岩波書店) ( iwanamisen.html )
第1巻 金沢一 〔改行〕妙の宮 化鳥 凱旋祭 さゝ蟹 清心庵 髯題目 笈摺草紙 鶯花径 湖のほとり 名媛記 海の鳴る時 女仙前記 きぬぎぬ川 北国空

国書刊行会鏡花書目 ( kokusho.html )
・ 『日本幻想文学集成1 泉鏡花』国書刊行会 1991.3.20化鳥 蝿を憎む記 処方秘箋 二世の契 貴婦人 印度更紗 伯爵の釵 妖魔の辻占 雨ばけ 光籃 紅玉 [解説]須永朝彦「細部の驚異」

鏡花抄 ( kyoukashow.html )
化鳥〔改行〕〔改行〕 人に踏まれたり、蹴られたり、後足で砂をかけられたり、苛められて責(さいな)まれて、煮湯を飲まされて、砂を浴せられて、鞭うたれて、朝から晩まで泣通しで、咽喉がかれて、血を吐いて、消えてしまいそうになってる処を、人に高見で見物されて、おもしろがられて、笑われて、慰(なぐさみ)にされて、嬉しがられて、眼が血走って、髪が動いて、唇が破れた処で、口惜(くや)しい、口惜しい、口惜しい、口惜しい、畜生め、獣(けだもの)めと終始そう思って、五年も八年も経たなければ、ほんとうに分ることではない、覚えられることではないんだそうで、お亡(なくな)んなすった、父様とこの母様とが聞いても身震いするような、そういう酷いめに、苦しい、痛い、苦しい、辛い、惨酷なめに逢って、そうしてようようお分りになったのを、すっかり私に教えて下すったので、(…)それをば覚えて分ってから、何でも、鳥だの、獣だの、草だの、木だの、虫だの、蕈だのに人が見えるのだから、こんなおもしろい、結構なことはない。〔改行〕

泉鏡花自筆年譜 ( nenpu.html )
・ 明治三十年四月、宙外、後藤寅之助氏、新著月刊を起したる、其の首巻に「化鳥」を書く。此の頃より酒杯を手にし、人の遊(あそび)に伴ふ。然れども「笈ずる草紙」は、推して端坐精進の作と言はむ。〔改行〕

おしらせ ( news.html )
 2001.11.2 〔改行〕〔改行〕●ずいぶんな放置プレイを続行中でありますが、おまたせしました、サイト内検索のリクエストによる鏡花作品ランキング、7月から10月までの集計の発表です。間が開いたので、今回は20位までカウントすることにしました。相変わらずお芝居系が強いですね。まあ、よくも悪くもこれがネットでの鏡花受容の現状ということなのでしょう。〔改行〕〔改行〕  1 海神別荘(63)〔改行〕  2 婦系図(41)〔改行〕  3 高野聖(40)〔改行〕  4 義血侠血(24)〔改行〕  5 天守物語(23)〔改行〕  6 夜叉ヶ池(22)〔改行〕  7 歌行燈(18)〔改行〕  8 龍潭譚(16)〔改行〕  8 外科室(16)〔改行〕 10 星あかり(11)〔改行〕 11 眉かくしの霊(10)〔改行〕 11 夜行巡査(10)〔改行〕 13 春昼( 9)〔改行〕 13 草迷宮( 9)〔改行〕 13 日本橋( 9)〔改行〕 16 照葉狂言( 8)〔改行〕 17 化鳥( 7)〔改行〕 17 山海評判記( 7)〔改行〕 19 三尺角( 5)〔改行〕 20 処方秘箋( 4)〔改行〕 20 註文帳( 4)〔改行〕 20 風流線( 4)

 2001.7.1 サイト内検索のリクエストによる鏡花作品ベストテンの第3弾、5月と6月分の集計です。同じデータが連続するものはひとつにカウントしています。今回はついに「高野聖」がトップに来ました。芝居公演が話題の2位3位4位をおさえて見事です。 ところで検索のさいには正確な言葉をインプットするようにしましょう。「三味線」とか「三角尺」とか言われても……困るとですよ(汗)。自信のないタイトルの場合は「三味」とか「尺」とかのように、短くても間違いではない言葉で検索した方が好結果が得られます。よろしく。  1 高野聖 (31)   2 婦系図 (24)   3 海神別荘 (22)   4 天守物語 (17)   4 外科室 (17)   6 龍潭譚 (15)   6 歌行燈 (15)   8 化鳥 (14)   9 春昼 (11)  10 義血侠血 (9) 10 夜行巡査 (9) -------------- 夜叉ヶ池 星あかり 日本橋 草迷宮 (8)

・ ついでに2001年前期分として2月から6月までの集計も載せておきます。  1 婦系図 (52)   2 高野聖 (47)   3 海神別荘 (39)   4 天守物語 (32)   5 化鳥 (27)   6 外科室 (25)   7 龍潭譚 (22)   8 歌行燈 (19)   9 義血侠血 (19)  10 夜叉ヶ池 (17)  10 春昼 (17)  10 草迷宮 (17)  13 日本橋 (15)  14 夜行巡査 (12)  15 星あかり (11)  16 眉かくしの霊 (8) 16 註文帳 (8) 18 山海評判記 (7) 19 桜心中 (6) 19 蛇くひ 両頭蛇 (6)

・ サイト内検索のリクエストによる鏡花作品ベストテンの第2弾です。今回は3月10日から4月末までの集計となります。前回(3月10日)同様、あきらかに重複していると思われるデータは適宜整理しました。今後は切りの良いところで2ヶ月に一回の発表とするつもりですので、当検索システムを本来の目的だけでなく人気投票としてもご利用いただければ幸いです。 1 婦系図 (15)  2 高野聖 (13)  3 海神別荘 (12)  4 化鳥 (10)  5 天守物語 (8) 6 龍潭譚 (6) 6 桜心中 (6) 6 義血侠血(滝白糸) (6) 9 草迷宮 (5) 9 外科室 (5) 9 夜叉ヶ池 (5) ------------ 春昼 日本橋 (4) 新派や花組の『婦系図』公演の話題もあって、お芝居派の優勢傾向は続いていますが、「高野聖」や「化鳥」の躍進が目を惹きます。季節柄といえる「桜心中」はどこかのグループで話題にでもなったのでしょうか。

・ 皆さんがサイト内検索を使って鏡花のどんな作品を検索しているのか、ちょっと調べてみました。リクエスト・ベストテンみたいなものですね。  1 婦系図 (13)  2 天守物語 (7)   3 海神別荘 (5)   4 夜叉ヶ池 (4)   4 義血侠血 (4)   4 草迷宮 (4)   7 日本橋 (3)   7 高野聖 (3)   7 外科室 (3)   7 化鳥 (3)  (次点) 星あかり 春昼 歌行燈 (2)  2月のはじめから今日までの集計によると、こんな結果となりました。作品名の後の数字は検索回数です。ダブりのあるデータはノイズとみなして整理し、できるだけ有意な数字を取り出すよう努めたつもりです。結果はまあ、一目瞭然、お芝居派の圧勝ですな。テキスト派としては愕然としておりますです(笑)。

過去のおしらせ ( old6.html )
・ 朗読の幸田弘子(67)が、千代田区の紀尾井小ホールで「幸田弘子の会」初日公演。取り上げられるのは樋口一葉「わかれ道」と、今回初の泉鏡花「化鳥」。〔改行〕

過去のおしらせ ( old8.html )
・ 鏡の花に『化鳥』と『暗まぎれ』が、鏡花花鏡には『暗まぎれ』が登録されました。

・ 大量の鏡花直筆原稿が慶応大学の稀覯書サイトで公開されています(発見者はNoahさん)。けっこう重たいサイトなので、1枚が300KB 以上ある標準画像を見るのもそう簡単ではありませんが、大変ありがたい資料が公開されたことに感動と驚きを覚えます(他に小さなサムネイル画像と大きな高精彩画像あり)。 このサイトに入る時にIDが要求される場合は、小文字で guestと入力します。パスワードは不要です。以下に公開された作品名を挙げておきますが、各ファイルの実際はほとんど未確認です。 お弁当三人前、きぬぎぬ川、きん稲、ねむり看手、わか紫、一之巻、二之巻、三之巻、四之巻、五之巻、六之巻、誓之巻、愛火、伊達羽子板、雨ばけ、唄立山心中、怨霊借用、炎さばき、縁結び、縁日商品、艶書、鴛鴦帳、化鳥、仮宅話、歌仙彫、河伯令嬢、怪語、海の使者、海異記、海城発電、海神別荘、絵日傘、絵本の春、開扉、貝の穴に河童の居る事、革鞄の怪、葛飾砂子、貴婦人、起誓文、戯曲日本橋、祇園物語、義血侠血、菊あはせ、吉原新話、吉祥果、笈摺草紙、錦染滝白糸、錦帯記、櫛巻、継三味線、欠番、堅パン、懸香、幻の絵馬、湖のほとり、胡蝶の曲、五大力、紅雲録、紅葛、紅玉、黒壁、彩色人情本、桜心中、傘、山吹、山中哲学、紫手綱、紫障子、雌蝶、時雨の姿、蒔絵もの、式部小路、取舵、手習、朱日記、十三娘、春昼、春昼後刻、女仙前記、勝手口、小春、少年行、沼夫人、鐘声夜半録、色暦、信仰、新通夜物語、森の中、神鷺の巻、神鑿、人魚の祠、星の歌舞伎、清心庵、雪柳、雪霊続記、浅茅生、草迷宮、続銀鼎、続紅雲録、続風流線、袖屏風、多神教、鯛、第二蓖蒻、茸の舞姫、辰巳巷談、池の声、註文帳、町双六、沈鐘、通ひ路、爪の涙、爪びき、定九郎、天守物語、杜若、嶋田髷の人形、湯女の魂、湯女の魂、湯島詣、湯嶋の境内、燈明之巻、萩薄内証話、伯爵の釵、白花の朝顔、白金の絵図、薄紅梅、半島一奇抄、秘妾伝、飛剣幻なり、毘首羯摩、貧民倶楽部、舞の袖、風流蝶花形、峰茶屋心中、頬白鳥、魔法罎、木の子説法、木曽の紅蝶、夜叉ヶ池、夜釣、薬草取、友禅火鉢、由縁の女、遊行車、夕顔、妖剣紀聞後篇、妖剣紀聞前篇、妖術、妖僧記、妖魔の辻占、楊柳歌、陽炎座、卵塔場の天女、留守見舞、龍潭譚、旅僧、両頭蛇、霊象、聾の一心、梟物語、瓔珞品、絲遊、縷紅新草、袙奇譚、ピストルの使ひ方、髯題目、鶚の鮨

『鏡花全集』(春陽堂) ( shunyou.html )
巻二 〔改行〕琵琶傳 海上発電 化銀杏 一之巻 二之巻 三之巻 四之巻 五之巻 六之巻 誓之巻 蓑谷 紫陽花 毬栗 照葉狂言 龍潭譚 勝手口 X蟷螂鰒鉄道 化鳥 凱旋祭 堅パン さゝ蟹 風流蝶花形 清心庵 七本桜 髯題目 暗まぎれ 山中哲学

紋切型鏡花事典 ( stereotype.html )
〔改行〕口語体  「化鳥」は鏡花初の口語体小説。23歳の作。

泉鏡花作品年表 ( workhist.html )
〔改行〕1897年 明治30年 〔改行〕誓之巻 ねむり看守 化鳥 さゝ蟹 凱旋祭 堅パン 風流蝶花形 清心庵 怪語 なゝもと桜 山中哲学 暗まぎれ 髯題目

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・「鏡花における超自然 『化鳥』詳考」 由良君美 「国文学」 昭和49年3月

・「未成熟と夢 『化鳥』論」 山田有策 「文学」 昭和58年6月

・「泉鏡花『化鳥』試論」 小川武敏 「日本近代文学」 昭和61年5月

・「語りの系譜学1 泉鏡花『化鳥』の語りをめぐって」 中山昭彦 (立教大学「日本文学」 昭和62年12月)

『鏡花全集』(岩波書店) ( zensyu.html )
巻三 龍潭譚 勝手口 X蟷螂鰒鉄道 化鳥 凱旋祭 堅パン さゝ蟹 風流蝶花形 清心庵 怪語 なゝもと桜 髯題目 山中哲学 暗まぎれ 玄武朱雀

・[月報11] 鏡花ものという演目(上)=戸板康二 鏡花文学の幻想性=笠原伸夫 鏡花小説校異考(十一)無憂樹=村松定孝 〔同時代の批評・紹介〕鏡花の進境・雷同者鏡花の真面目を知らず・『化鳥』・鏡花の近業


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