２０００年国内オペラ公演集計

２０００年国内オペラ公演集計

　１９９９年同様、２０００年についても国内オペラ公演について集計してみました。ただし、１９９９年は参考値として外来団体の公演についても集計しましたが、今回は純粋に国内団体の公演のみです。ですので、県別集計では０になってしまう県でも外来団体によるオペラ公演があった場合もありますので、ご注意下さい。

公演数集計の基準と限界は前回と同じく、次の通り。

「公演数集計の基準」

・外来公演は含まない

日本独自のオペラ上演という観点から。

・演奏会形式は含まない

私の個人的な考えで、演奏会形式は「コンサート」であって「オペラの上演」ではないと思っているから。一方で舞台形式であれば、多少のカットやオーケストラ編成の省略でも「オペラの上演」だと思うので含めている。

・作品別集計についての注意点

１回の公演で２作品、あるいは３作品上演された場合は地域別集計では１回になるが、作品別ではそれぞれの作品で１をカウントする。

同一作品を数多く上演するこんにゃく座は、集計値を狂わすので（恣意的で悪いけど）作品別では除外。それなら新国立劇場も同じだが、こちらは１作品で１０回を超すことはないので、参考値として内数を記した。

「公演数集計の限界」

平凡な会社員個人が集めた情報なので、２０００年に日本で上演された数の全てをつかみきれていない。特に地方都市や大学等での上演は把握しにくく、実態としてはもっと多く国内オペラが上演されているような気がする。

また、主催者などから直接得た情報でないものは、不十分な情報もあり、中には意に反して演奏会形式が混ざっていたりするかもしれない。

そういった、極めてプライベートな調査になっている。

Ａ．地域別オペラ公演集計

（概観）

前年より地方での公演も若干増えているが、東京での公演数がそれ以上の勢いで増えて、一極集中がひどくなっている。ただし、東京の増加は新国立劇場の公演数の増加によるところが大きいと思われる。

愛知が前年の４位から２位に浮上。理由は不明。あおりで大阪が３位に後退したが、前年も言及したが、関西歌劇団と関西二期会の本拠が兵庫に移っているものの国内公演１８回を維持しているのは意外なところ。

Ｂ．作品別オペラ公演集計

新国：回数の内、新国立劇場での上演回数

（概観）

２０００年は「トスカ」初演１００年ということで、前年圏外の「トスカ」が４位。本来、プッチーニのなかでも上演は難しい方だと思うのだが、プッチーニ作品のなかでは最も公演数が多かった。あおりで、前年１６回の「ラ・ボエーム」が６回に、２０回（新国６回）の「蝶々夫人」は圏外に落ちた。「トゥーランドット」は７回から５回への微減だが、これはオーチャードホールのため。

前年はシュトラウス・イヤーで、「こうもり」が「メリー・ウィドウ」を駆逐したが、今回は「メリー・ウィドウ」が「こうもり」を若干上回る程度で、これが通常だと思われる。

2001.01.14