２００４年国内オペラ公演集計

２００４年国内オペラ公演集計

　

　

Ａ．作品別オペラ公演集計（５回以上）

回数	新国	作品名	前年	前々年	前々々年
２４	（５）	ボエーム	１４（６）	７	１４
１９		蝶々夫人	１０	１０	７（５）
１９	（５）	カルメン	１８	１１（６）	６
１８		フィガロの結婚	２６（６）	２２	２４
１８	（５）	椿姫	１２	２６（７）	５
１７		コシ・ファン・トゥッテ	６	１１	１５
１６		ヘンゼルとグレーテル	７	１９（４）	５
１１		セビリアの理髪師	圏外	５	圏外
１０		ドン・ジョヴァンニ	圏外	５	１３（５）
		魔笛	１５	２６	８
		こうもり	１８	９	１０
９	（６）	カヴァレリア・ルスティカーナ	６	圏外	圏外
９	（６）	道化師	圏外	圏外	圏外
８		ランメルモールのルチア	圏外	６	圏外
８	（６）	マクベス	圏外	圏外	５
７		ヴォツェック	圏外	圏外	圏外
７	（５）	ファルスタッフ	圏外	圏外	圏外
６	（６）	神々の黄昏	圏外	圏外	圏外
５		仮面舞踏会	５	圏外	１１
		天国と地獄	圏外	圏外	圏外
		ヴェニスの一夜	圏外	圏外	圏外
		ミスター・シンデレラ	圏外	圏外	圏外
	（５）	スペインの時	圏外	圏外	圏外
	（５）	エレクトラ	圏外	圏外	圏外
前年ランクインの圏外落ち愛の妙薬１１、トスカ１０、ジャンニ・スキッキ８、ばらの騎士６、オテロ６、アイーダ６、ホフマン物語６、ジークフリート６、ノルマ５、ジプシー男爵５

（括弧）：回数の内、新国立劇場での上演回数

概観

国内オペラの王道的作品が、ずらりと上位に並んだ感がある。近年にない安定的な並びではないだろうか。

１ケタ台の作品については、新国の内数を除いて考えた方がいい。そうすると、「ルチア」や「ヴォツェック」が浮かび上がってくる。「ヴォツェック」は松本での公演が大きいが、それ以外にもプロダクションがあったわけで（豊中）、この有名稀少作品にしては当たり年だったといえる。

また、「天国と地獄」「ヴェニスの一夜」も目立つ。昨年ランクインした「ジプシー男爵」が外れたが、オペレッタの多様化が進んでいる。

近年、着実に公演回数を伸ばし、昨年は１１回を数え、国内オペラ王道的作品への仲間入りかと思われた「愛の妙薬」が、思わぬことに一気に圏外へ。「ボエーム」や「椿姫」とは国内受容の歴史の重みが違うのだろうか。

ちなみに、９回の欄にヴェリズモ２作品が仲良く並んでいるが、実はカップリングで上演されたのは新国だけで、それ以外の所ではすべて別々に上演されている。

　

Ｂ．地域別オペラ公演集計

２００４年		２００３年		２００２年		２００１年
回数	都道府県名	回数	都道府県名	回数	都道府県名	回数	都道府県名
２１８	東京（内新国６８）	１８６	東京（内新国５６）	２１２	東京（内新国７５）	１９３	東京（内新国６５）
２２	兵庫	２２	大阪	２４	兵庫	２３	大阪
２０	大阪	２０	兵庫	１８	広島	１９	兵庫
１６	広島	１７	神奈川	１４	神奈川、大阪	１４	神奈川
１４	神奈川	１４	埼玉	１２	埼玉	１１	埼玉
９	長野、滋賀	８	愛知	８	北海道	９	千葉、京都、広島
８	愛知	７	北海道	７	愛知	７	静岡、愛知
６	宮城、埼玉、千葉	６	広島			６	滋賀
５	北海道、静岡、香川	６	広島			６	滋賀
４	群馬、新潟、京都、徳島	４	長野、滋賀	４	山形、長野	４	北海道、長野
３	福岡	３	栃木、千葉、京都	３	新潟、愛媛、長崎	３	山形、群馬、三重、新潟、奈良
２	栃木、富山、石川、三重、奈良、熊本、鹿児島	２	秋田、山形、宮城、新潟、静岡、奈良、香川、徳島、高知	２	宮城、福島、栃木、山梨、三重、滋賀、奈良、鳥取、香川、徳島、大分、宮崎、鹿児島	２	宮城、栃木、茨城、香川、福岡、鹿児島
１	青森、岩手、山形、福島、茨城、福井、岐阜、鳥取、島根、愛媛、佐賀、宮崎	１	茨城、群馬、富山、岐阜、三重	１	青森、岩手、茨城、静岡、富山、京都、岡山	１	青森、福島、山梨、岐阜、徳島、大分

概観

東京はコメントのしようがないほどの一極集中。

兵庫、大阪の２位争いは、今回は兵庫。

広島は順調に持ち直して、神奈川より上位に。

立派な劇場のある愛知は、ここ数年この数が限界なのだろうか。数を伸ばした長野、滋賀の下位にまわることになった。

地方では複数のプロダクションが上演されるところも増えてきた。今回カウントの無かった県は９県のみで、これらについても私が観測できなかっただけのことだと思う。

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2004.12.26