機能主義
functionalism
戻る
作成日 2003/4/1
19世紀後半から顕著になった立場で、とくに社会学、人類学などの分野で目立つ。デュルケム、マリノフスキーなどの定式化によって知られる。しかし、一般の哲学的態度として、あるいは、諸科学研究のための方法論としては、19世紀から今世紀にかけてのすべての分野に、浸透していると言ってよい。
古来、自然科学にせよ、哲学を含めた他の諸科学にせよ、現象の多様性に惑わされない、純粋のもの自体、実体、本質などが、学術の対象の主役であった。これに対し機能主義は、現象の間の関係と機能とに焦点を合わせ、ダイナミックな流動の過程こそ、学術研究の対象となるべきである、という基本的諒解の上にたつ。この点で、現象主義と深い連関があると言える。動的な面にスポットを当てる、という点では、弁証法にも似るが、弁証法における矛盾を使っての一種の公式主義を欠いている点では、
非常に異なっている。
現代哲学事典 山崎正一+市川浩編 講談社現代新書 より
ご意見ご感想等ありましたら下記へメールをください。
asanami@mxb.mesh.ne.jp
戻る