ホメオスタシス
homeostasis
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作成日 2003/4/2
クロード・ベルナールの考え方を発展させて、キャノンが用いたことば。変化する外部環境の影響から生体の組織・細胞を保護するために、体内に安定した内部環境をつくりあげる自律的な保護機構をいう。この機構が高度に発達した恒温動物では、外傷や外気温の変化に対しても、血液などの体液成分や体温の変化は一定限度内にとどめられる。物理化学的な系の平衡とはことなったこのような生体系の動的な平衡を実現する上で、もっとも重要な役割を演ずるのは自律神経系である。こうした自律的な内部環境の調節機能を人工的に模したのが、一建築物あるいは建築複合体単位のエア・コンディションであり、さらに一地域あるいは一都市単位のクライマタイゼーション(気候調整)という考え方である。情報とエネルギーの制御により、自然界の循環を考慮しつつ、人間の生活にとって合目的な循環系を構成しようとする環境制御は、公害問題とも関連して
今日の重要な課題となりつつある。
現代哲学事典 山崎正一+市川浩編 講談社現代新書 より
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