還元主義


reductionism

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作成日 2003/3/27

多様を単一によって説明することが最も基本的な還元主義の意味と思われる(それゆえ一元論的発想である)が、現代哲学のなかでは、とくに、経験主義の流れのなかで、多様な諸現象を、すべて、経験に還元しようとする実証主義的発想を指すことが多い。

初期のラッセルは、すべての命題は、最終的には「センス・データ=文」およびそれらによって定義された文に置き換え得ると考えたが、この言語の階層の最下層に属する文に戻ることは、還元主義の一つの局面である。

こうした急進的な還元主義の不成功が、やがてカルナップらのような、科学で用いるような言語を使った文を最下層と考え、そこに戻るという物理主義的な還元主義を生み出している。

もちろん、原子論、唯物論、唯心論などもある局面から見れば、一種の還元主義と考えることはできる。


現代哲学事典 山崎正一+市川浩編 講談社現代新書 より




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