機械論


mechanism

戻る

作成日 2003/4/1

一般には目的論に対する。自然現象を、必然的な因果性によって説明しようとする立場を呼び、しばしば、原子論的発想に重なる。ギリシアでは、デモクリトス、エピクロス、近世では、デカルト、ラ・メトリ、ドルバックらが、この系譜に属する。ハーヴィの血液循環論に触発された機械論の生命現象に対する適用は、生物学における機械論と生気論、機械論と全体論の対立を生む。

自然界が、時計細工のように、各構成要素の必然的な変化・運動に従って運行すると見なす機械論は、一方において、その必然的な変化・運動を支配する法則の存在を確信させ、またその発見を奨励するという形で、近代科学の展開に大きな影響力をもち、他方、生命や人間の神秘性を取り除き、生命現象を自然科学的に究明しようとする志向に対しても最大の動機を提供したが、第一原因へ遡行できないというその弱点のゆえに、 限界を置かれることも多い。


現代哲学事典 山崎正一+市川浩編 講談社現代新書 より




ご意見ご感想等ありましたら下記へメールをください。
asanami@mxb.mesh.ne.jp


戻る