コンヴェンショナリズム


conventionalism

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作成日 2003/3/27

規約主義または約束主義と訳される。一つの意識されたイズムとして注目すべき形で現われたのは、ポアンカレのそれであろう。彼は、リーマン幾何学などの非ユークリッド幾何学の出現と、空間との関係を考えるに当たって、ユークリッド幾何学か非ユークリッド幾何学の一つかが、真の空間の表現である、という択一的な立場をとらず、結局は、空間の表現の多様性を認め、そのうちの一つを採用することは、真理に関係があるのではなく、便宜的規約として行なわれる、と主張した。

このような規約主義は、その後、真理の絶対性を主張することを躊躇する立場の哲学者たちに好んで採用されるようになり、単に空間と幾何学の多様性の問題にとどまらず、 より一般的な真理論にも、大きな影響を与えている。


現代哲学事典 山崎正一+市川浩編 講談社現代新書 より




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