コペルニクス的転回


Kopernikanische Wendung

戻る

作成日 2003/1/24

「カントが自分の認識論でおこった事業を、コペルニクスが従来の天動説にたいして地動説を主張して、天文学に大転換をおこしたのにたとえて用いた言葉。すなわちかれは、従来、認識において主観が客観(対象)にもとづいて認識をうるとしたのにたいして、その反対に客観が主観の先天的形式によって成立せられるという転換をおこったことをいう。しかし、これは転換にはちがいないが、認識論において主観的観念論を主張することになったにすぎない。コペルニクスは、むしろ地球中心的見地から太陽中心的見地に移ったのだから、いわば人間の主観的見方から客観的見方に転換したのであり、カントとは逆な方向に転換したのであり、 この比喩は適切ではない。」

哲学辞典 森 宏一編集 青木書店 より




ご意見ご感想等ありましたら下記へメールをください。
asanami@mxb.mesh.ne.jp


戻る