客観的


objective

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作成日 2002/6/1

「客体ともいう。ラテン語 objectum から由来し、<…に対してある>の意味で、自存的な主体たるものに対して、という意をあらわし、主観内にある観念の側をいいあらわすのに用いられていたが、近代になってからは、主観に対して在るものの意味に使われるようになった。 この使い方はロックではまだ明確になっていないが、カント以後には主観に対立する側をしめすことが明確になった。 唯物論では、意識に依存せず、これから独立に存在する物質世界をいうが、観念論では、対象世界ではあるが、 それは意識から独立してはおらず、主観の側にとらえられて存在するもの、つまり意識の内容をさしている。したがって、客観的とは、唯物論でいう場合は、主観から独立な性質をもつものごとにかんするという意味であり、 観念論では、たんに個人ないしある集団だけに通用する意識内容でなく、広く普遍性をもつ意識内容をさす。」

哲学辞典 森 宏一編集 青木書店 より




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