人間機械論


人間機械論の変遷

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作成日 2003/4/1

ハーヴィの血液循環論は人間の神秘性に対する一つの攻撃となり、それを直ちに受け継いだデカルト以来、人間の機構を、機械のアナロジーで説明する試みが盛んになった。そして機械の精巧化とともに、それはアナロジーというよりも、ことの本質を衝いた考えであるとする立場が一方において確立された。ラ・メトリの「人間機械論」はその代表的なものであったが、心身問題ともからんで、精神現象をメカニックに説明する可不可がしばしば論じられた。

今世紀サイバネティクスの発達に伴い、ホメオスタシスなどの概念を使って、生体の機械モデルによる説明は益々成功の度を加えるとともに、コンピューターの出現によって多くの人間の精神活動の機械によるシミュレーションが実現され、 新しい型の人間機械論が生まれていると言えよう。


現代哲学事典 山崎正一+市川浩編 講談社現代新書 より




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