相対主義


relativism

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作成日 2003/3/30

「相対」とは、相対立するものによって、相互に制約され依存していることである。「相対主義」とは、一切は相対的であり、有限な人間の認識や評価は、決して絶対的なるものに到達することはないとする立場である。絶対的な真理は、あるかも知れないし、また無いのかも知れない、ということであるから、結局は、「懐疑論」となる。何を善とし、何を悪とするか、という評価においても、絶対的な規準は存在せず、すべては、歴史的に変化すると考える。 一切は相互依存的であって、普遍・恒常のもの、永遠のもの、は存在しない。ヘラクレイトスの「万物流転」や仏教の「諸行無常」というのは、この主旨のものである。しかしこのことが永遠絶対の真理であると主張することになれば、相対主義は自己矛盾を来し、 一種の絶対主義に転化することにならざるを得ない。


現代哲学事典 山崎正一+市川浩編 講談社現代新書 より




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