連合主義


associationism

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作成日 2003/4/1

時間的・空間的に接近した経験や似かよった経験が連合するという考えは、すでにプラトンやアリストテレスにみられる。ホッブズから、ロック、バークリー、ヒュームにいたるイギリス経験論者たちは、最も単純な心的要素(感覚、単純観念、印象などと呼ばれる)が連合することによって、複雑な観念や高級な心的過程が成立すると考えた。連合主義が、要素論的ないし原子論的といわれるのはこのためである。ハートレーは連合主義を生理学的に、ジェームズ・ミルは心理学的に解釈した。ジョン・スチュアート・ミルは、連合によって元のものとは別なものが生ずることに着目し、ヴントは、心的要素(感覚と単一感情)が結合して心的複合体となるとき、元の要素にはなかった新しい性質が生ずるという創造的綜合の原理を立てた。連合主義ないし連合心理学は19世紀末以降、機能心理学とゲシュタルト心理学の鋭い批判をあびたが、現在でも行動主義心理学の結合主義 などのうちにその変形がみられる。


現代哲学事典 山崎正一+市川浩編 講談社現代新書 より




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