第8回・5インチフロッピーディスクドライブの内部増設


今回は、SNOWMANの協力でお送りする。
なお、今回増設するマシンは9821V200である。

最近、ちまたで5インチドライブの外付けフロッピーディスクドライブが売られている(※1)
このドライブを、98の5インチベイに内蔵できないか?というのが本記事の目的(※2)である。

用意するもの
半田ごて (あまり握ったことのない方にはおすすめできないが・・・(※3)

加賀電子(TAXAN)製外付け5インチドライブ「TF511」からドライブのみを外したもの。
(中のドライブはミツミ製「D509S」)
34ピンFDDケーブル(AT用でも使用可だが、2ドライブ目のコネクタは使用できない)

少々の線材

まず、FDDの改造を行わなければならない。
カッターや彫刻刀などで、基板上のパターンカットを行う。
写真1の 4,3の位置の、それぞれ1,3,33ピンをGNDから切り離す。
(パターンカットした後に、テスターでGNDと導通がないことを確認すること。)


写真1

写真2

写真3

次に写真1の1,写真2,写真3のように配線する。

写真2及び3は、モーターの基板に行くケーブルのうち、300/360rpm(※4)切り替え信号線を
直に34ピンFDDコネクタに接続するべく、ミツミ製ICの載る基板から茶色い平行ケーブル
の半田を外して赤いケーブルにつないでいる。
モーター基板のシルク「M」の線と34ピンコネクタの2ピンが繋がれたわけだ。

FDDの改造はこれで終了である。

なお、写真1の2の青いケーブルはいろいろ試した際の名残なので意味はない。
最後にジャンパーのセッティングを行う。

ショートピンは最初からついている3本で、それぞれ 2S,M5A,D5A
の場所に差した。

そしてあらかじめ用意したFDDケーブルにて98マザーボードとドライブ2台を繋ぐ。
これで9821V200に最初からついているドライブが1、今回増設したドライブが2
として認識されるはずである。

では、今回はこの辺で。




※1
この記事を書いている時点では、SOFMAPで大量に売られていた。
5インチドライブは由緒正しい漢(おとこと読む。ますらおでも可)のドライブの一つであったとおもう。
その記録密度の違いから、アクセス速度では3.5インチドライブに分があるが、メディアの安さでは勝っていた。
・・・現在ではその立場は見る影も無い。5インチ10枚で4000円していた時代があったとは、信じられないであろう。
余談であるが、5インチフロッピーでは書込み禁止にするためには、プロテクトノッチとよばれる切り書きを、ふさぐ
必要があるのだが、3.5インチのようにスライド式のスイッチがあるわけではない。ここには、ライトプロテクト
シールを貼らなければならないのだ。
赤外線センサであいているかどうかを確認しているらしいので、シールが無いからといって、白いシールを貼ると役
に立たないことがおおかった。
最初のメディアが高価な頃は、銀色のシールが多かったのだが、晩年安くなってからのシールは、真っ黒な安っぽい
シールになってしまっていた。
3.5インチを使っている人には、5インチフロッピーディスクさえもが巨大に見えるのだが、世の中にはさらに8インチ
ディスクなる物まであって、これは巨大どころではない。
たまーに見かけたりするのだが、フロッピーのお化けのような感覚である。
ちなみに、5インチディスクでは、書込み禁止にするためにはシールを貼って穴を隠さなければならないが、
8インチではその逆で、書込み禁止にするためには、プロテクトノッチを作らなければならない。
最初はどこも切れていないので、専用の工具(はさみでもいいが)で、切れ込みを作成しなければならないのだ。
ちなみに3.5インチフロッピーディスクは、マイクロフロッピーディスクと呼ばれている。
5インチはミニフロッピーディスクである。8インチが正真正銘フロッピーディスクなのだ。


※2
なぜいまさら5インチ? という意見も無いではない。
が、旧資産である5インチディスクを何とかして使いたいなんて人もいるのではないだろうか?
それに年数からいって、そろそろ5インチディスクには黴が生えている頃である。
生えるんですよ・・・カビが。 ビデオテープにもがんがん生えるくらい出し。おのれ。
また、5インチドライブのヘッドの上の部分につけられているスポンジのような物が、経年劣化で、
ぼろぼろと崩れてきて話になら無くなっている頃でもある。
まあ、よーするに特殊フォーマットしたディスクなんかをバックアップするときには、5インチドライブが
直接使えたほうが便利ってなわけで増設してしまうわけである。


※3
半田ごてって何?って人以外ならなんとかなりそうである。


※4
一分間辺りの回転数である。98のドライブは秒間6回転で、一分間に360回転するのである。
一方、舶来マシンは秒間5回転で、分間300回転である。
98では、この回転速度は2DDモードでしか使用されていなかった。
98から乗り換えた人は、フロッピーの遅さに気がつく事が多いのだが、その原因はここにあったわけだ。
このほかにも、ドライブレディ信号をきちんと管理していないため、モーターオン制御を行ってから、
回転が安定しただろうと思われる時間待ってようやくアクセスするといったのも、遅さの原因である。
98ではきちんとドライブからの信号を理解しているために、そういったウェイトはかからない。
また、現在のディスク状態を管理していない雰囲気でもある。
と、悪いところばかりなのだが、一ついいところもある。
それは、回転速度が遅いために、書き込める容量が多いという事だ。(98の5インチドライブでは、ディスクを
クリップで挟むなどといった手段によって、回転エネルギーの一部を熱に変化させ、容量を稼ぐなどといった
裏技があったくらいである。別に役に立つわけではないのだが、一部の人には重要であった。
当然だが、3.5インチではこの技は使えそうも無い。残念。なお、ディスクにアクセスしにいったとき、異常な
ディスクであったりするときに、やたらと時間がかかる経験をした人は多いと思う。こういった時に、指でディスクを
押さえる事によって、強制的にエラーを発生させて、すぐに止めるという応用技をよく使っていたのを思い出す)

それなので、当初から1.44Mバイトの容量を簡単に確保できたのであろう。

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