番外編・RaII23等の「II」系マシンにCoppermine PentiumIIIをつける!
ついに我々が待ち望んでいたCPUが登場した。
フルスピードライトバックL2を搭載した、新型PentiumIII、Coppermine(※1)である。
FCPGA下駄の上に載せたところ
この新しいプロセッサはコア電圧がさらに下げられており、なんと1.6V程度(※2)になっている。
今回はFC-PGAバージョン(※3)を購入した。
なぜかといえば、電圧生成レギュレータの自動設定(※4)や、マザーボードの設定がきちんと新型プロセッサに
適合する状態になっているかどうかわからなかったためだ。
ま、結論から言ってしまえば、RaII23で使用されていた電圧生成レギュレータチップは、Harris社製のHIP6004CB
は、1.3Vから3.5Vまで対応していたので、十分生成可能範囲内であることが解った(※5)。
というわけで、FCPGA版Coppermineを変換下駄に搭載し、さらにマザーボードにさした。
ちと暗いがご容赦。しかしこの暗さが未来を案じていようとは・・・
と、ここでマシンを組み立て始めてちょっとした問題が発生した。
それは、Coppermineに添付されていた純正冷却ファン(※6)が、Celeronに搭載されていたものより、さらにひとまわり
でかいのである!
そう、「HDD増設紙具にガツンとぶつかるリターンズ!」である!
というわけで、さらにHDD増設紙具を加工することにした。
また、たっぱもあるので、スペーサーを作成し、上に持ち上げることもあわせて行った。
スペーサーはないが、増設紙具
そして、気になるBIOSの問題であるが、なんとCoppermineでは、従来のMSRによるL2Configrationを
行わずとも、自動設定になっているのである。
ということは、特に何もする必要がない(※7)ということだ。
これで私のマシンもPentiumIII搭載マシン(※8)になったのだ。
新型MMX命令である、SSEをテストすることができる環境になったのである。
しかし、この先に悲劇が待ち構えていることを、私はまだ知る由もなかったのである。
続く!のか(ここまで引っ張ってるし ^^;;;)
注
※1
開発中のコードネームなのだが、旧型PentiumIII(Katmai)と同じPentiumIIIでしかないため、区別するために
こう呼ばれることが多い。
旧型と比較して、L2にまつわる改良が大きい。
CPUコアに集積されてフルスピード動作、CPUコアとL2をつなぐバスが256ビット、容量が半分の256KBになった
ところである。
さらに、約2500万トランジスタを集積しながら、0.18ミクロンプロセスルールで設計されているため、ダイの面積
が旧型よりも小さく、さらに省電力などいいこと尽くめである。
が、大きな罠が待ち構えていたのである。
※2
まさしくマンガンもしくはアルカリ乾電池1本で動くようなものである。
もっとも、電圧だけであり電流は比べ物にならないほど大きいので、乾電池ではまかないきれぬであろう。
ところで、乾電池の電圧1.5Vは内部の電極に使われている材質などで決定されている。
そもそも電圧は2種類の異なる金属を接触させることにより発生する。この電圧がたまたまマンガン系と、
アルカリ系がにているので、両方を使うことができるのだ。
マンガンはちびっとずつ使うのに適している。一度に大量に使うと早く消耗してしまう。適度に休みが
必要なのである。
アルカリは、大量に電流を消費する用途に使うのにお勧めである。少ししか使わない時計などにいれても、
マンガンとたいして寿命が変わらぬうえに、液漏れを起こす可能性があるのだ。
※3
某マザーボードに対抗するためと噂されている、新型Socket370である。
旧来のSocket370で予約されていたかなりのピン(30〜50本ほど)に新機能を割り振っているらしい。
まったく困ったものである。
おかげで新しく変換下駄を買い直さなくてはならなくなった。
従来使用してたSoltekSL02AのCoppermine対応バージョン、SL02A+C-TUNEを購入した。
※4
そのままさすと、CPUのVIDピンがVRM部にダイレクトにつながることになる。
電圧が1.8V未満まで正常に出るか解らない以上、そのままの接続はプロセッサを破壊することになりかねない。
※5
なお、その他のRMateでも同じチップが使われていることを保証するものではない。
Ra40などでは、HIP6004ACBらしく1.8Vからしか生成できないものが搭載されているという情報がある。
また、チップが対応していても、配線がきちんとされているかどうかは保証できない。
もっとも、全部配線したほうが手間がかからないはずなので、チップが対応していれば問題ないと思われるが。
さらにいうと、すでにまりもさんが搭載実験を行っていたので、今回は安心して載っけられたのである ^^;;
※6
どうでもいいことだが、この冷却ファンのヒートシンクには、CPUダイに接触する部分に、シールの
ようなものがはってあるのだが、このシール、圧力がかかるとなにやらシリコングリスのようになる。
マイクロカプセルか何かで封入されているのだろうか。
※7
念の為に行っておくが、CACHEERRORを出して停止する状態では、だめである。
少なくとも上記エラーを回避できれば、L2は自動設定される。
※8
なんつーか486DLCを搭載したときのような気分になった ^^;
番外編・続RaII23等の「II」系マシンにCoppermine PentiumIIIをつける!
そう、それは唐突に起こった。
突如マシンがスローダウンし、にっちもさっちもいかなくなってしまったのである。
「さてはウルテクエンジンを搭載した代償がきたのか?」
ふと、そんな事を思ったのだが、しばらくOSの再インストールもしていないし、
偶然だとその場は思うことにしたのである。
が、その現象が再現性のあるものであり、また、作成していたアプリケーションの突然の
誤動作などの問題が発生するにつれ、胸のうちにわき上がって来た黒いものが徐々に形を
とりつつあった。
そう、「これってCoppermineのせいではないのか」という疑問が。
現象が発生すると、マシンの電源を落とし、再起動するしかないのである。
再起動するたびに走るスキャンディスクが恨めしい(※1)。
時を経ず、何をしても一般保護違反が出るようになり、マシンの再インストールを行う必要に
せまられた(※2)。
そして、再インストールしてみるものの、どうにも調子が悪い。
Coppermineには、既に「起動しない」「SSE等の使用で計算結果を正常に判断できない」などの強烈なバグ(※3)が
発生しており、PentiumIIに戻すと問題が発生しないので、CPUのせいだという結論にたどり着くまでには
そう長い時間はかからなかった。(※4)
「こうなったら、バグパッチを当てるしかない」
そう思い、調べてみると、既にCoppermine681河童地雷に対するバグパッチは何種類か出ているようであった。
最新リビジョンと思われるバグパッチを当てて、実験することにした。
専用のデバイスドライバを設計することにして、Win95起動段階(※5)でマイクロコードアップデートを
かけることにする。
いざ、パッチを当て実行!
すべてはあの時に終わっていたのだ。
ふと、空を見上げると、澄み切った青が目に飛び込んできた。
どこまでも、どこまでも・・・
注
※1
「前回正常にシャットダウンされませんでした」
このメッセージを見るたびに、「おまえがさせんかったんだろー!」と、思わず突っ込んでしまう人が全国に
100人くらいはいるはずだ(笑)
※2
ま、開発していたアプリケーションの関係でマシンが不安定になったということが一番大きいかも
しれないので、これはCoppermineのせいだけではないと思う。
何回も再起動させられたというのも大きいが。
※3
余談であるが、651や650なんかもばかすかパッチが出ていたのをこの時知った。
つまり、今まで使っていたPentiumIIやCeleronなども結構危ない状態だったのだ。
もっとも、286や386や486時代の致命的バグやPentiumの割り算命令バグなどのように
致命的なものではなかったらしいのだが。
ま、これらのバグは、Intelによるとバグではなく、エラッタ(小さな傷)であるそうだ。
※4
最初からばればれでしたけど。
わさわさとでる、エラー報告を聞いていればそう考えるのも無理はない。
※5
なんて極悪 ^^;
通常はBIOSがパッチを当ててくれるのだが、当然ながら最新の河童用のは存在しない。
頼れるのは、己の光って唸る拳のみである!
トップへ