Boorin's All Works On Sacra-BBS

「大神一郎のぼけぼけな休日」



朝。

起きて鏡の前に立つ。
くるりとターンだピルエット。
う〜ん、今日の寝癖は気に入らない。
後ろの跳ね具合がいまいちだなぁ。
しかたがない。
もう一度寝直すか。

ベッドにはいる。
寝返り。
寝返りその2。
寝返りその3。

…眠れない。

難しい本を読むことにしよう。
何がいいかな。

「風呂を覗くということ 大神一郎著」

だめだ、よけい眠れなくなる。

「はじめての八鬼門封魔陣 京極慶吾著」

『八鬼門封魔陣を成功させるためにはまず私を崇めよ。・・・』

ダメだ、こいつ馬鹿だ。

「出来るシリーズ・六破星降魔陣 南光坊天海著」

『ふえっ、ふえっ、ふえっ。六破星降魔陣とは・・・』

ダメだ、こいつ気持ち悪い。

「自分で作る霊子甲冑 山崎真之介著」

『私の言う通りにすれば霊子甲冑は簡単に作れる・・・』

簡単なのか。これにしよう。

『シルスウス鋼を用意する。』

シルスウス鋼?あ、そうか。

夕べの味噌汁の残りと酢と鋼鉄を臼で混ぜる。

…ごりごりごりごり…
♪宇宙猿人、ごぉりなぁのぉだぁ〜

できた。

『霊子エンジンと蒸気エンジンを用意する。』

霊子エンジン?そうか。
港まで行って漁船から漁師を拉致して来た。
蒸気エンジン?そうか。
台所からコンロと中華鍋と蒸籠を持って来た。

『好きな形にシルスウス鋼をかたどる。』

シルスウス鋼の板を足や手に巻き付けてセロテープで留める。
人間二人分の余裕を持たせてぺたぺたぺた。

『甲冑の中に霊子エンジンと蒸気エンジンを積めばできあがり。』

甲冑の背中の部分に漁師を入れ、頭の部分にコンロと中華鍋と蒸籠を入れる。
さあ、起動だ。
点火。




ぼこっ。
ぼこぼこっ。
ぶくばこぼこっ。
しゅ〜うっ。
あちちちちちち。

蒸気で漁師が熱がりだした。

がっしゃんがっちゃん。くぴぴぴ、がっちゃん。

成功。
でもなんか二人羽織みたい。
まあ動いたからいいや。

ああ、疲れた。
よく眠れそうだ。
おやすみなさい。

(了)

#ほのぼの物を書こうとしたんですが、
#どこで道を過ったのか異様にへっぽこなものが出来てしまいました。
#読んで下さった皆さん、失礼いたしました。m(_ _)m





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