Boorin's All Works On Sacra-BBS

超硬派、超軟派エンディング



超硬派大神エンディング〜レニ編〜

ノックの音にドアを開けると、頬を紅く染めたレニが立っていた。
「隊長・・・、あの今日この近くでお祭りがあるんだけど。」
「よし、分かった。何も言うなレニ。オレが日本の祭りの神髄を
みせてやる。となると、浴衣だ、レニ!浴衣を作るぞ!正しい日本の祭りは、
浴衣だ!」
「隊長、実は・・・。」
「何も言うな、レニ!オレに任せておけ!まずは衣装部屋へ急行だ!」
「あ・・・うん。」
大神とレニは、衣装部屋で素早くそれぞれの丈に近い浴衣を
手に入れた。
「レニ、部屋で待ってろ。オレがちゃちゃっと作り直してやるからな。」
「・・・う、うん。部屋で待ってる。」

(約30分後)

「こんこん。レニ、出来たぞ!」
がちゃ。
「隊長」
「よし、レニ早速着替えるといい。オレも着替えてくるから。
着付けはかえでさんに頼むと良いぞ。30分後に玄関に集合だ。」
「了解、隊長。」
・・・・・・・・・・・・
そして、一時間後、レニと大神は祭りの雑踏の中にいた。
「隊長、なんかみんながボク達を見てるような気がするんだけど。」
「・・・うん?そうか?みんな、きっと羨ましがってるんだろう。」
「そうかな、その割にはみんな僕たちを避けてるように見えるんだけど。」
・・・・・・・・・・
人々が二人を遠巻きに避けるのも無理もない。
大神の純白の浴衣には、黒々とした墨痕で

「天川麗人命 孤独な魂はオレが癒す」

と、レニの上品な銀鼠の浴衣には、

「大神一郎命 ボクはもう一人じゃない」

と書かれていた。

まるで、無人の野を征くがごとく、寄り添い歩く二人を
天の星々は優しく照らすのであった。



超軟派大神エンディング〜レニ編〜

ノックの音にドアを開けると、頬を紅く染めたレニが立っていた。
「隊長・・・、あの今日この近くでお祭りがあるんだけど。」
「分かったよ、レニ。オレで良ければ一緒に行こう。
オレが日本の祭りの神髄を手取り腰取り教えて上げるよ。」
「ありがとう、隊長。じゃあ、ボクは部屋で待ってるから、後で迎えに来てね。」

(30分後)

よそ行きに着替えた大神は、レニの部屋の扉をたたいた。
「こんこん、レニいるかい?」
がちゃ。
「隊長。」
「お、それは?」
「かえでさんが、くれたんだ。」
「いいなあ、浴衣か。レニは浴衣なんか着たことないだろう。
よし、オレが着付けてやるよ。」
「・・・隊長、ごめん。着付けは、かえでさんがやってくれるんだ。」
「う〜ん、そうなのか。それは残念だなあ。じゃ、それを手伝ってやるよ。」
「・・・た、隊長。」
レニの頬はもう真っ赤である。花組に来た当初からは考えられない反応だ。
「う〜ん、レニの恥ずかしそうな顔もいいなぁ。よし、分かったよ。
今はレニの可愛い顔が見れただけで我慢するよ。じゃ、あとでまた。」

そして、一時間後、レニと大神は祭りの雑踏の中にいた。
「レニ、金魚すくいやろうか。」
「金魚すくい?」
「うん、たらいに泳いでいる金魚という観賞用の魚を、
丸く紙を貼った針金の道具で掬うんだ。捕った金魚はもらえるんだよ。」
「やってみる。」
はじめ、レニは勢い良く掬いすぎて、一発で破ってしまった。
「よし、こつを教えてやるよ。こうやって・・・」
大神はレニの後ろから手を取り、金魚を掬って見せた。
「・・・うん、分かった。・・・もう、いいよ。みんな見てる。」
恥ずかしそうに、頬を染めてうつむくレニを見て大神は思う。

「やっぱりレニは可愛いなぁ。最初見たときから磨けば光る玉だと思ったんだよ。」

実は超軟派大神は、その異常に発達した嗅覚でレニが女であることを、
初対面の時から見抜いていたのであった。

大神の戦果は結局レニの手をとって
教えたときに掬った一匹だけだった。
コツをつかんだレニは、大量の金魚をぶらさげて
大神と寄り添って歩いている。その顔には幸せそうな
笑みが浮かんでいる。

そんな二人を天の星々は、やさしく照らすのであった。


(了)

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