Present From Others

「『それ』かく語りき」 to 「蒼穹の中へ」 by 黒火会さん




ここは…………どこだ。
朕は一体どうしたというのだ。
かつては魔界の覇権を賭けて戦いを繰り広げ、ついには魔皇の
称号を得た朕でさえ、死せばあさましき亡霊でしかないのか。

ふふ………この世ならざる存在となった今となっては、まわりの
状況すら把握できぬ。
肉体がない今は五感ことごとく潰えたのだからな。
しかし…………おお、どうしたことだ、この高揚感は。
五感のどれでもない、戦士としての直感が、雌雄を賭けて戦うに足る
強者の存在を間近に訴えているではないか!!
ひとつ、ふたつ………9つか。
いや、こちらにもまだ2つ。
ふふ、ふふふふふ…………
嬉しいぞ、朕は魔皇の地位に上りつめた後もそうであったように、
死してなお一介の戦士であり続けたか!!
さあ、来るが良い。
朕の力は息吹有った頃よりもさらに増大しておる!!
来るが良い、戦士達よ。
この魔皇ベッケンバウアーの最後の戦い、とくと見せてくれようぞ!!




(了)


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