1999年9月17日 作成
悪沢岳・赤石岳縦走
&お花畑
1999年7月18日〜21日
写真はクリックすると大きくなります。
7月「海の日」の連休、日本一のお花畑に出かけました。
行き先は南アルプス「荒川三山と赤石岳縦走」です。
18日、自宅から椹島まで移動。大井川鉄道に沿って行きました。
椹島ロッジ泊。広々とした敷地に綺麗な宿泊施設。ロッジと言うより立派な民宿のようです。お風呂もあり、二人で一部屋利用出来ました。庭に白いワンちゃんがいました。
19日、椹島から千枚小屋まで移動です。道は緩やかで歩きやすいのですが、山の上部にガスが早々とかかり始めています。清水平の冷たく美味しい水で一息。物見岩で昼食を取りました。一瞬、荒川小屋が見えましたが、直ぐにガスの中。駒鳥池の辺りで雨具の要らない程度のパラパラ雨が降ってきました。
|
|
|
千枚小屋はお花畑の中でした。「シナノキンバイ」「カラマツソウ」「ミヤマキンポウゲ」「クルマユリ」「タカネグンナイフウロ」などなど。小屋の前に張り出してあった天気図に熱帯低気圧発見。こっちに向かっています。困った予感・・・。
庭先に、昨日ロッジにいた白いワンちゃんにそっくりの犬がいます。おやー、と思って見ていると、小屋の親父さんが「あの子はロッジのワンちゃんだよ。獣道使ってここまで登ってくるんだよ。」と教えてくれました。下りも1時間ほどでロッジに帰るそうです。夕方、辛うじて富士山が見えました。
|
20日、メインの縦走なのですが、生憎の雨模様です。まず千枚岳。(2879m)を目指します。
小屋周辺の花達に見送られ、背の低い樹林の中を登ります。出会った花達は「ミネウスユキソウ」「キバナコマノツメ」「イワベンケイ」「ハクサンイチゲ」「ミヤマオダマキ」「ホソバツメクサ」などなど。頂上間際で雨が本降りになって来ました。頂上はガスに覆われ展望も人の気配も無し。早々に悪沢岳に向かいます。このままではシャリバテしてしまうので、ハイマツとゴロゴロ石の道を進み、ちょっとした鞍部でそぼ降る雨の中、朝食のお弁当。すれ違ったパーティーと「生憎のお天気ですねー。」と挨拶を交わします。(今日一日、この挨拶ばかりでした)でも、岩場で雷鳥チャンに会えました。うれしー。緩やかなピークを越えてから、案外あっさりと悪沢岳(東岳)(3141m)に着きました。頂上の展望まったく無し。風雨激し。でも此処は標高6位の場所です。
岩で足元の悪い急坂を降りるとき、奇跡のような晴れ間が約三分。次は中岳(3083m)。中岳避難小屋の側で「クロユリ」を見つけました。
その次の前岳はパスしてここから南アルプス一、いや日本一のお花畑を目指し、荒川小屋へ。急な斜面をトラバース気味に下れば、見渡す限りの花々が斜面に広がりました。「シナノキンバイ」「ハクサンイチゲ」「クロユリ」「テガタチドリ」「イブキトラノオ」「ミヤマオダマキ」「ミヤマシオガマ」「オヤマノエンドウ」「ヤマハハコ」「イワカガミ」「ハクサンシャクナゲ」「チングルマ」「コマノツメ」その他いっぱい。
|
|
荒川小屋で昼食。随分濡れてしまったので、玄関でカレーを食べました。水を補給して出発。大聖寺平まではお花畑が続きます。ここでも約三分の晴天が出ました。
此処からの小赤石岳までの登りはきつかったー! 大好きな「ミヤマキンバイ」に励まされ、時々息を整えながら登っていきます。雨は相変わらず降り続いていますが、風が強くないのが助かりました。この登りで体力を使い果たし、赤石小屋までの予定を頂上の避難小屋泊まりにしました。
赤石岳(3120m)。標高7位です。やっぱりガスまみれ。避難小屋は立て替えたばかりで大変綺麗です。小屋で濡れたモノを乾かせてもらい、着替えをしてやっとホッとしました。天気のせいか、次々と人が逃げ込んで来ます。小屋の管理人さんが楽しい人でいろいろおしゃべりをしました。寝具も借りられたし、レトルトですが御飯も食べれたし、小屋並みに快適でした。夕方、やっと雨が上がり、聖岳が大きく見えました。富士山も綺麗でした。
|
21日、下山です。楽しみにしていた日の出は、横殴りの霧雨に阻まれました。身支度をして、椹島まで一気に2000m、5時間かけて降ります。赤石岳と小赤石岳の間の分岐までは雨と強い風で吹っ飛びそうでしたが、沢に入ると風は収まりました。樹林帯に入るまでは結構きつい下りです。下山途中で谷にかかる虹が出ました。感動的です。赤石小屋まで下る頃には、雨も大分上がりました。ただ、相変わらず坂がきつく、足と膝と爪が悲鳴をあげています。林道と道が交差する辺りまで下ると晴れ間が覗き、気温がかなり上がってきたのが解ります。漸く到着した椹島ロッジではシャワーを浴びて、ラーメン食べて、お土産買って、バスの時間迄ぶらぶらと過ごしました。
この時、東京辺りはもの凄い雨で、帰りはしっかり渋滞にはまり、夜になって漸く家に着きました。休む間もなくザックと中身と雨具を干して、やっと布団に入ったのは12時過ぎていました。
|
ミイコからのお願い。
この登山の直前、幼なじみを山の事故で亡くしました。とてもとても悲しい出来事でした。
どうかお願いです。登山でも、旅行でも、どうか無理をしないで安全に過ごして下さい。
臆病な位に慎重に行動して下さい。私達も無事に家まで帰るまで、気を抜かないようにします。
そしてヒロちゃん、どうか安らかに。
|