焼岳登山
地震の上高地にて
1998年8月22日
長野県の上高地といえば有名な観光地、そしてあこがれの北アルプスの玄関口で有名ですが…
8月頃、ここは長野県中部の群発地震が起こっていました。
そんな中、空き時間が出来たので「日帰り出来る山」に出かけようということになりました。
選ばれたのが上高地にある「焼岳」。(やけだけと読みます)
会社の後、高速を飛ばして沢渡へ。村営の駐車場で仮眠。まだ夏休みなのに車は少め。
明け方4時頃、震度4の地震で起こされました。(後で新聞を読むとこの明け方に、震度3が2回、
震度4が1回あったそうです。)まだ早いと2度寝してから起床。朝食をとって出発です。
タクシーに他のご夫婦と乗り合い、中ノ湯まで移動します。道の途中で道路に散らばった石を
片づけている人がいました。「さっきの震度4の 地震で崩れたんだよ。」とタクシーの運転手さん
が教えてくれます。
私達のルートは中ノ湯から登り、上高地側に下山します。
上高地には珍しいらしいブナ林の熊笹の中を登ります。
道はやや急登ですが、キチンと整備され登りずらい場所はありません。どんどん高度を上げていくと
車の音も何時しか遠ざかり、心良い気分になってきます、…が熊笹についた露のせいで足元はすっかりびしょびしょ。汗をかくので体もびしょびしょ。オマケにガスがかなり濃く出てきてしまいました。
登り始めて2時間半位たったとき頂上の岩場を見上げているとガスが風に吹かれて僅かずつ切れ始めました。あのへんかな?と立ち止まっている時、ドーンと低い音がして、少し離れた所の岩壁から
パラパラという落石の音が…。
(この時、登山道ではないけれど別な所で実際落石があったらしいです。) あまり気にせず登り続け、出発から3時間後に頂上へ。
折角頂上に着いたけどガスが濃く、展望がききません。「まぁゆっくり待とうか。」とおにぎり、ラーメンの食事を取り始めました。その間にポツポツと登山者がやって来ます。挨拶とおしゃべりをしていると、穂高方面のガスが切れ始めました。思わず上がる歓声、みんなでさかんにシャッターを切ります。
正面に西穂高を置いて穂高連峰が大きな岩の塊になって鎮座し、その向こうに槍ヶ岳。左には端正な笠ヶ岳。右には梓川を挟んで霞沢岳。振り返れば乗鞍岳。足元には焼岳の火口湖が深い緑色をたたえて噴煙の影から見え隠れしています。すっかり晴れ上がりました。
この間、あやはカメラを持って頂上ウロウロ。み〜こはラーメンの入ったコッヘル持ってその後ろをウロウロ。
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槍ヶ岳と穂高連峰
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笠ヶ岳 槍ヶ岳
焼岳火口 焼岳より見た大正池
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頂上直下よりみた頂上部
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食事と撮影が終わり、下山開始です。8合目の旧中尾峠までは岩場の道を下ります。岩は触ると暖かく、大地の脈動を感じます。頂上を振り返ると岩塊がオーバーハング状態でのし掛かってきます。
峠を越え、草原をつづらに下り、火山灰を深くえぐった沢に沿って樹林帯を下ります。
途中の梯子を降りると凄まじい落石の箇所を横切りました。生い茂る熊笹の上を一抱え程もある岩が積み重なり、その上を真新しいペンキ跡に沿って進みます。漸く本来の登山道に戻るとだんだん道も緩やかになり、静かな森の中を進むと林道にでました。そこに登山者向けの手書きの看板がありました。
「上高地から焼岳の道は8月20日から通行が可能になりました云々。」2日前…。
林道を梓川に沿って歩き、田代橋へ。もう観光客で一杯。山登りのカッコが少々照れくさくなってきました。
田代橋の上から振り返るとゴツゴツとした焼岳が、上流には穂高が望めます。天気は上々、風は清涼、雲はもう秋。
バスで沢渡まで戻り、車に乗換えて、新しくなった中ノ湯温泉へ。ちょうどお客さんの切れた時間らしく湯船独り占め。ゆったりとスリリングで素敵な登山の汗を流しました。
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