技官初出張


技官として初の出張を命じられた

出張先は兵庫県のSpring8という施設
あの和歌山カレー事件のヒ素を検出したという立派な施設である

現地午後4時までに集合ということで
適当に新幹線とバスで現地に向かう

無事Spring8に到着

  

到着してまず宿にチェックインする
カードを渡されD棟に行けというのでD棟に向かう

かなりいい宿である
というか普通の団地である

カードでドアが開き
入ると壁にカードを差し込むところがあり
カードを入れてくださいと書いてあるので
そこにカードを入れる

すると部屋の電気などがついて
歓迎の雰囲気となった

感動しつつとりあえず部屋を探検する
かなりいい部屋である

  

洋8畳、トイレ・バス別、エアコン完備
テレビ・湯沸機・ウォシュレット付、陽当良好といった物件である
この部屋が都内にあったら住みたいくらいである
とお世辞もふまえつつ探索を続ける

トイレ付近を捜索していると
タオルが目に付いた



「Spring8」と刺繍の入ったなかなかいいタオルである
私はごく自然にカバンに入れた

到着した日は特にすることもなく
宿でぼんやり過ごす

翌日実験施設で実験準備をする
今回の任務は実験自身ではなく
数日後の実験のための準備である

私の実験ではないので
準備が終わったら帰っていいことになっている

気楽にSpring8内部に侵入する

Spring8はドーナツ形状であり
ずっと歩くと元の場所に戻ってくるという不思議な施設である



内部はとにかく広い
ドーナツの直径は500mを超える



施設内部には大量の自転車が置いてあり
移動はこれらの自転車によって行う

施設を探検しつつ準備をする
具体的にはひたすらネジを締める

すると近くの電話機に電話がかかってきた
私への電話であるという

こんなところへ誰が何の用でかけてきたのか
と思いつつとりあえず電話に出る

電話の相手は宿の管理者であった

電話の内容は
「部屋へ掃除しに入ったところタオルが1枚足りません」
というものであった

「ベッドの下とかに落ちてませんか?」
などと強気に立ち向かったが
「明日探してもってきてください」と言われて断念

若干やる気をなくし準備を続ける

そのせいか実験準備でいろいろ問題が起こり
私の手には負えなくなってしまった

そのためその後は控え室でインターネットをして過ごした



控え室の様子
今回の出張では大半の時間をここで過ごした

問題だらけとなったがとりあえず私の任務は終了したので
すみやかにSpring8を後にし
隣県の我が故郷岡山の実家に少し顔(全身)を出した

その後東京に帰還

Spring8はなかなか遊べそうな施設であった
半年後あたりにも再び行く可能性があるので
その際には今度こそSpring8タオルを入手する




もどろうか