技官と助手1
歓迎会の2次会終了後
私は家に到着してすでにくつろいでいた
そのとき突然携帯電話が鳴った
電話は大体において突然鳴るものではあるが
とりあえず携帯に電話がかかってきたのである
見てみると登録されていない電話番号である
一応でてみるとそれは助手であった
ドイツ人ではない方の助手であった
私の所属する研究室は
もう一つの研究室と合同で活動しており
部屋も2つの研究室で一つの大きな部屋を使用している
歓迎会も合同で行われた
電話はそのもう一つの研究室の側の助手からであった
私の所属する研究室の助手はドイツ人であるが
電話してきた方の助手は日本人である
なんの用件かと思って聞いていると
「研究室からしめだされた」という用件であった
彼は歓迎会で酔っていたため若干興奮気味であった
よくわからないので詳しく説明を求めると
歓迎会のあとその助手は何人かの人と研究室に戻り
そして荷物を研究室に置いて実験室で実験していたらしい
しかし他の人は助手の存在を忘れて
研究室にカギを閉めて帰ってしまったらしい
助手は荷物を研究室に全て置いていたので
財布も定期も研究室のカギ自身もとれなくなってしまい
帰れなくなってしまったのである
そこで家の近い私に助けを求めてきたのであった
私は特に断る理由もないので
カギを持って再び研究室に向かった
私の姿を見ると助手は安堵の表情を浮かべた
そして私は見事にカギを開けることに成功し
助手は無事家に帰れることになった
役目を終えた私は再び家路についた
技官として初の勤務時間外労働であった
もどろうか