One yen please


渋谷で外国人に話しかけられた

若い白人の男のひとだ

僕は英語が話せないので関わりたくなかったが
彼は勝手に話し始めた

わかった単語は
one yen please

なぜいま1円必要なのか
1円足りないというマニアな状況なのか
などといろいろ考えていると
彼は実は間違えていたらしく
one hundred yen
と訂正した

そして次に彼は長い英文を発した

わかった単語は
subwayとShinagawa

品川に電車で行きたいらしい

そして困った顔して
I have no money
とため息まじりに言っている

僕ははやくこの状況から逃れたかったので
100円あげることにした

しかしよく考えてみると
品川までは100円ではいけないので
no moneyの彼に100円あげても何も起きない

そこで品川までは200円くらいいるぞ
というようなことを言って
しかたなく200円あげたのだった

最初1円と言っていた彼は
結局200倍の200円を手に入れて去っていった

あとあとよく考えてみると
金がないのにいまなぜ彼は渋谷にいるのか
などいろいろ不審な点があり
だまされた気もしないではない

まあバッティング1ゲーム分のお金だからよしとしよう

僕はけっこういろんな人にものを尋ねられる
今回の彼は英語を使って攻撃してくるかなりの強敵だった

今後手話とかを駆使する人に遭遇しそうでこわいが
ダンスを駆使する人にはすでに遭遇しているので大丈夫だ



もどろうか