No.1 1998/6/14 素人の画像処理
うんちく:
ハブル宇宙望遠鏡(HST)が、主鏡製造時の検査治具の使用手順誤りにより大きな球面収差を生じた事故は、最近では昔話の様に感じる。
しかしこの事故にもめげず、サービスミッションで補正用光学系を装備するまでのハブルの画像を、画像処理により実用に供するという対策が取られ、ある程度の観測成果を得られた。その際蓄積された画像処理の技術は、医療現場でレントゲン画像の解像度向上に用いられたと聞く。
そこで、その猿真似を私も試してみた。
経過:
まず、以前風邪を引きかけたときに撮ったレントゲンを医者から借りる。
レントゲンは基本的に、X線源(放電管みたいなもん)から体を通り抜けたX線を、レンズや鏡で集光することなくそのまま実寸+αのフィルムに焼き付ける。何しろ物を通り抜けるX線だから、レンズや鏡を作るのも困難な訳で、原理的には影絵そのものだ。(だからぼやけて見える。)
この巨大なフィルムを取り込むには、A3サイズの透過原稿対応スキャナが必要だ。
しかし遊びでそんな大層な買い物するわけにも行かないので、OHPプロジェクタに乗せてカメラで撮影(診察室のあれの方が良かった?)。
これを更にフィルムスキャナで取り込む。
多段階に渡る処理で、多少階調が乱れるのは仕方ない。
その後コントラスト増強とアンシャープマスクで細かい模様を強調し、更にシャープネスのフィルタを掛けると、
となった。
考察:
多少細かい模様が見やすくなった様な気がするが、次の2点で画質に不満が残った。
1) レントゲンフィルムの読み込み
やはりフィルムを直接スキャナに掛けて多bit/pixelの情報を得ないと、階調が不足する。
2) フィルタの系統だった選択
どこかでハブルの画像処理に使ったフィルタを入手できるはずだから、それを使って処理してみたい。
create:1998/6/14,last update:1998/6/14
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