極楽2号まで後何年?
■『極楽』というパソコン
かつてアスキー誌に、未来(当時)のPCの予想として『極楽1号』が掲載されていた。
当時の記事を処分してしまったので正確な時期は忘れてしまったが、ラップトップPCが世に現れるより前、更にx86アーキテクチャの登場よりも早い時期だったと思う。
それは16bit CPUをラップトップPCの筐体に納めた形をしていた。
数年を経て東芝のDynaBookが初めて世に出てしばらくの後、『極楽2号』が再び掲載された。
当然、極楽1号に相当するPCが、見事実現したことを受けて、更なる革新を提案するものだった。
しかしPCの『極楽2号』について、現在検索できる情報が見当たらない。
極楽2号の記事も、やはり処分してしまい手許にはない。
それを読んだ当時、「これは流石に無茶だろう」とは思ったのだが、そのキー技術には次の様なものがあったと思う。
1】スキャナ・平面ディスプレイと、リアルスケールのプリンタをまとめたA4サイズ透明パネル
2】パネル上からのキーボードおよび手書き入力
3】CPUユニット関連も、ほとんど無いに等しい額縁および透明パネルに収納
ソフトウェア的には、他にも提案があったと思うが、上記のキーコンポーネントの大部分は、いま正にタイムリな話題であるはずだ。
反射型・微透過型も揃った液晶ディスプレイは、その裏に(プリンタはともかく)スキャナメカを仕込むことも、無謀ではなくなっている。
撮り込んだイメージを同寸のまま画面上で編集し、同寸のまま印刷する という機能面で考えれば、35mmフルサイズCCDまで実用化されたデジカメとの組み合わせで実現可能な範囲だ。
パネル上にキーボードを作りこむことは、PDAでは既に当たり前に実装されている。
クリック感については音で擬似的に感じさせるなどのアイデアが提案されているし、PDAサイズでは小さ過ぎるキーボードもA4縦置き(つまり短辺がキーボードの横幅)位であれば、手の小さい日本人には適当かも知れない。
実際、サブノートPCは、現実に日本で一定の注目を浴びている。
そして2002年秋〜冬になって、(キーボードレスの提案としては何度目だか思い出せないが)microsoftのタブレットPC発売が近付いている。流石に永年の改良で、操作性は向上しているのでなかろうか?
(少なくとも)今までのPC用アプリケーションをほぼそのまま利用することが、現実的になっている。
回路系については、今ごろZ80相当 とは言え、シャープが液晶パネル上にCPUまでを実現・発表した。
MZ-80に実装・動作させる という、関西地場産業ならではのツボを突いた演出付きだ。
液晶表示器自体の透明な配線材(導体)と太陽電池に使用されるガラス基板上のシリコンがあるのだから、消費電力などとの戦いという「時間の問題」であったはずだが、ようやく実現できた。
ファイル素子も、フラッシュメモリの大容量化が進むため、全機能をガラス上に実現する素地が整いつつある。
これだけキー技術が揃っている以上、そろそろ極楽2号を『実現可能なもの』として捉えるべきではなかろうか?
勿論、今携帯情報機器はパソコンからPDA/携帯電話に移行しつつある とも言える以上、パソコンにこだわった極楽2号自体が古い と言われる恐れもあるだろう。
しかし自ら使いこなす側面を残したパソコンとして、その未来の姿を持ち続けていたい。
create:2002/11/10,last update:2002/11/10
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