腎臓とは、そもそもなんだ?

腎臓の位置
肉屋、焼き鳥屋などでは、「マメ」といいます。その名の通り、豆の形をした臓器で、普通は一人2個を背中に持っています。 腹部の臓器と思われ勝ちですが、肝臓・胃腸などが腹膜という袋に包まれているのに対して、腎臓はその後ろ側、背中越しにあります。 従って触診や生検、手術などは、大抵背中側から行います(TVドラマ関係者各位、お気を付け下さい)。
2個の腎臓は、肺の下辺りにありますが、右手側の腎臓が左手側より1cm位低い位置にあります。
腎臓への血管は、腹部大動脈・腹部下大静脈から直接左右の腎臓につながっています。 臓器の中でもかなりの厚遇と言えますが、それもそのはずで、心臓から送り出される5〜20%の血液を2個の腎臓で受け取り、肺が吸収した酸素を実際それだけ消費しています。 この酸素消費量はエネルギーの消費と等しいので、実に脳・心臓に次ぐエネルギーを使っていることになります。
ではなんでそんなに大量のエネルギーを使うのか?

腎臓の形・構造
腎臓はソラマメ形をしています。 腎動脈から毛細血管に急速に分岐します。この血管と尿管の分岐を最大の効率で行える形が、ソラマメ形なのかも知れません。
末端の毛細血管は球形の組織で源尿を濾し出しますが、これが糸球体と呼ばれています。
糸球体の毛細血管内にはメサンギウムという細胞が突っ張り棒の様に入っていて、隙間を赤血球1個分位まで絞り込んでいます。 この隙間を血液が流れることで、より大きな表面積を確保しています。
糸球体の表面には小穴が多数空いており、これが血液中の水分や電解質、老廃物を濾し出します。
この穴は、蛋白質も抜けられる大きさですが、実はここで血液と電離(電池の原理)しており、蛋白質を跳ね返しています。 この電離が充分できなくなると、蛋白質が尿に染み出るネフローゼ症状となります。
糸球体から出た源尿は尿細管に出ます。
糸球体を出た血管は(糸球体で水分を失って量が減ることもあるのか)一部が再度動脈と合流し、ヘンレ係留という毛細血管に出ます。
ここで再度尿細管と合流し、余分に濾し出した水分・電解質の再吸収を行います。
この部分が、腎臓内の髄質と呼ばれています。

腎臓の機能
腎臓は尿を造って血液を浄化する ということは、大体の方は知っていると思います。しかし単に血液を濾過するだけではありません。
メサンギウム細胞は、糸球体の毛細血管の僅かな隙間に詰まる様々なゴミの掃除もします。 更に細胞間の微妙なホルモンのやり取りによって、血流の加減も行います。尿量の調整機能となる訳です。

その他にも造血作用を促すホルモン(エリスロポイエチン)を作ったり、ビタミンDを細工してカルシウムの代謝を促すなど、一見無関係の様な仕事もこなしています。

create:1999/8/8,last update:1999/8/19
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