腎機能低下の悲惨な症状

でもこの説明読んだら、なめられるやろか?

腎臓悪い?→でも小便出るぞ!

人間の体は良くできたもので、腎機能が多少低下しても、尿を大量に作り 排泄することで、これを補おうとします。これを「頻尿期」と言います。健康な人が普通の生活をしているとき、1日の尿量は成人男性で1〜2l,女性はそれよりやや少な目となりますが、腎臓病の頻尿期では2〜3lに達することもあります。
しかしそうなったときの尿は、いつも薄い色をしていて、余り変化がありません。これは既に、腎臓が尿を濃縮する能力を失っていることを示します。
このときは大量の尿排泄を抑える様なことをしてはいけません。逆に水分を大量に飲んで、脱水症状など起こさないように気をつける必要があります。
医者もこの症状に対しては、利尿剤を処方し、尿を大量に作ることでカリウム・ナトリウムが減りすぎないか監視します。腎臓病の中では、減塩をうるさく言われない 比較的ありがたい状態かもしれません。

もし健康な人が尿が全く出なくなったら、急性腎不全を疑う必要があります。
このときは安静を守って水分を全く飲まない必要が生じるので、医者にかかってかならず尿のことを相談するべきです。慢性腎不全ならあらかじめシャントを作って透析を受ける準備ができますが、急性腎不全で透析が必要になったら、動脈から血をとることになりかねません。これはめっちゃくちゃ痛い!

尿が薄い→血が汚れる→血が正常じゃないと気分が悪い

腎臓の一番重要な機能はもちろん、血液の浄化ですから、腎臓の機能が低下すると血液が尿素窒素などで汚染されてきます。
その結果、いわゆる尿毒症状というのが出てきますが、その一つに精神的な変化があります。
早い話が、腎機能が低下すると、機嫌が悪くなるのです。
その結果、この様に簡単にキれる様になります。

凹む机 しかしこの症状が出るのは、腎機能が低下しつつある時に限られ、腎臓がつぶれた状態で落ち着くと、症状も消えてしまう様です。体が「汚い血」に慣れてしまうそうで。(従って、これも再現映像です。このため、出演者の顔が笑っております。:-P)
このため、『症状が消えたから大丈夫』というのは大間違いです。
また、根がおとなしい人?は、だるさを訴えることもあります。同様に、注意すべきです。
周囲の方へ
こういう訳ですので、大した事言ってないのにすぐキれる様になった人が居たら、危険です。できるだけ早く、医師の診察を受ける様、勧めてください。

尿が薄い→血が汚れる→痛風だ!

血液中の尿酸値が高いと痛風になる ということは、良く知られていると思います。
尿酸はその名の通り、尿で主に排泄されるものですから、腎臓の機能が低下すると血液中に尿酸が溜まって痛風のリスクが大きくなります。
この治療はもちろん、普通の痛風と同じ様に、プリン質の食品を避けることですが、腎不全などというと、それ以前に蛋白制限で同じことになります。
また、尿酸を他の物質に分解する事で排泄を促す、薬が処方されることもあります。

秘められた腎機能:貧血!?

腎臓は尿を造って血液を浄化する他に、造血作用を促すホルモン(エリスロポイエチン)を作っています。
このため、腎機能が低下することで造血が鈍くなり、貧血を起こすことがあります。
私の場合はこの貧血が元で医者に掛かり、いくら鉄剤飲んでも改善しないことから、腎不全が判明しました。

昼寝 貧血に対する治療は、以前は透析のついでに輸血するしかありませんでした。
しかしここ数年で、エリスロポイエチンは人工的に合成可能となりました。これを週1〜2回程注射することで、貧血については治療可能となりました。
この薬は結構高価らしいのですが、最近はスポーツ選手のドーピングでも人気らしいですから、そのうち量産効果で安くなるかも知れません。:-P)
医師の方へ
こういう事もありますから、ただの貧血でも見くびらないで下さい。
(尿毒症状が進むと、それだけで昏睡することもある様ですが)

骨も折れる

腎臓は更に、ビタミンDを活性化する機能も持っています。
ビタミンDは、カルシウムの代謝に必要で、しかも活性化しないと役に立たない。 また、食品から摂ったビタミンDは活性化していない ということです。
更に腎機能低下でリンが血液中に溜まりやすくなると、カルシウムが結合(リン酸カルシウム)して排泄されやすくなります。 つまり、
腎機能が落ちると、骨折しやすくなるということです。
そういえば、自分も4,5年前は良く骨折したな....
透析導入後、改めて骨密度を検査(手と金属のクサビ形の比較体をまとめてレントゲンに撮って、比較しました。他の方法もある様です)すると、30歳台の男性のはずなのに、骨密度は80歳台女性にも劣る という結果。 これはちょっとビビリました。

カルシウム代謝の診断では、血清カルシウムやリン、骨密度の測定が中心になりますが、更に骨からカルシウムを取り出す作用を把握する意味で、副甲状腺の機能を調べることがあります。
カルシウムが見た目増えてきても、副甲状腺の働きが強過ぎるまま(副甲状腺機能亢進症)の場合、基本的には活性型ビタミンDの補給など内科的に抑えようとしますが、どうにも抑えられない状態が続いた場合は、副甲状腺を手術で少し切り取る場合もある様です。 そこまで行くかどうかは、治療を始めてから皆様の主治医から相談されると思います。

高血圧・電解質バランス不全

腎臓は尿を作る際、血液の電解質(塩分、カリウムなど)が適正な濃度となる様、余分な電解質または水分を優先して排出します。
腎機能が低下すると、当然この能力も充分でなくなりますから、塩分の多い食事(辛い食事がそうとは限らない)の後などは、血液中の塩分を一定に保つことができなくなります。
この状態のまま放っとくと、体は塩漬けとなり死んでしまいますが、一応その前に、水分を余分に摂って濃度を保とうとします。要するに、喉が渇くわけです。
そんなら水飲んだらいいじゃないか? いや、良くありません。余分な塩分を水で薄めるのですから、当然血液が増えます。これは高血圧そのものなのです。
高血圧は動脈硬化他各種疾患の原因となることは良く知られていますが、腎臓に対しても、負担を掛けます。つまり、腎機能低下を更に進めるのです。
最初に書いた頻尿期で進行を抑えられず、この状態が続くと、腎臓はどんどん機能を失い、更に全身状態まで危険になる悪循環になりますから、塩分・カリウムの摂取を抑えてこの状態にならない様にしなければなりません。

ただ頻尿期に限っては、カリウムなどの電解質が不足することがあります。見境なしに尿をつくる一方、尿を凝縮して電解質を回収する機能は低下しているためです。
このときは食事のカリウム制限解除・カリウム製剤処方、さらに動脈血が酸性となっていれば(アシドーシスと言うらしい)重曹などが処方されます。
もちろん、血圧以外のこれら電解質の測定は、採血検査を受ける必要があります。アシドーシスの症状として過呼吸などがある様ですが、素人判断は危険です。

立つんだ! ぢょお〜(いみふめ)

健康な人の普通の尿は、薄い黄色です。この色を付けている色素(別に色を付けるのが目的ではないんだろが)はウロクロームと言います。
ところがこのウロクローム、日焼けの色素であるメラニンと構造が似ています。
かくして、腎機能が落ちてくると、血液中のウロクロームが増大して、皮膚が黒っぽくなります(ごく稀に例外の体質の方もいらっしゃるそうですが)。
これは特に、色白を得意にしている女性にとってはショックな症状かもしれません。
が、人によっては、日焼けしたフリ に使えるかもしれません。

これと関連があるのか無いのかは良く分かりませんが、腎不全になって打ち身のアザが残りやすくなった という人も良く居ます。
わたしも↑の様な事情でバナナの叩き売り状態です(^^;)。

鳴って鳴って鳴って鳴って鳴って、回って回って回って回わるぅ〜♪

これは腎機能低下とどういう関連があるのか分かりません。貧血との関係をいう人は多いのですが、腎性貧血がかなり安定しているときでも症状は出ます。
耳鳴りはかなり、気になります。

耳と言えばバランス感覚の感覚器官でもあります。
そういう訳で(?)、めまい、ふらつきが(やはり貧血が落ち着いていても)出ることがあります。

create:1998/1/1,last update:2002/11/10
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