ドラえもんの最終話


・・・・こんな事いいな出来たらいいな・・・・・・
いつものテーマソング、そしていつもの、時間。
「のび太!いつまで寝ているの!早く起きなさい」
のび太は布団の中でもぞもぞ、眼をさましました。
「今日は日曜日だよー」
まだ眠そうに眼をこすりながら のび太は押入の方を見やりました。襖が開きドラエモン
が眼をこすりながら、
「フアー ねむいよ」
お母さん「何言ってるの!もう9時ですよ あなた達 今日9時に何か約束があったんじ
ゃないの?」
のび太「あっ、そうだ!のび太くん 早くおきなくっちゃ」
のび太くんは、まだ寝むそうに布団の中でゴソゴソ・・・。
ドラえもん「のび太くん!!のび太くん!!!」
のび太「うるさいなー」
ドラえもん「もう知らないからね!今日、ジャイアン達と約束あったんじゃないの?」
急にのび太は布団から飛び起きました。
「あーーーー」
「どうしようーーー」「ドラエモンのばか!!!」
「どうして早く起こしてくれなかったんだよ」
相変わらずあきれたのび太くんは、いち早く起きて顔も洗わず家を飛び出しました。いつ
も通りののび太くんの日曜日が始まりました。いつもの公園に着くとジャイアンとスネオ
としずかちゃんが待っていました。ジャイアンは不機嫌そうに腕を組みながら待っていま
した。
「のび太!・・遅刻じゃないかよ」
げんこつを振り上げて言いました。
「ごめん ごめん」
しずかちゃん「いいじゃない、私たちも今来たところなのよ」
スネオ「今日は 特別な日だからゆるしてやれよ」
ジャイアン「そうか、じゃゆるしてやるか」
今日は、みんなのルーツをたどる日なのです。
ジャイアン「俺の生まれた時は、かわいかったんだろうなあ」
スネオが小声で「ごりらの子供みたいじゃないの」
「なんだよ、聞こえたぞ」「ゴツ!」
まず、しずかちゃんからいこう!ドラエモン 出して!
「ルーツ探検機!!・・・・」
これは探検したい人に近づけると、その人の生まれた時から今現在までを早回しで探索出
来る機械なのです。「オギャー、オギャー」しずかちゃんが生まれた瞬間です。
「かわいい」「しずかちゃんって、生まれた時からかわいいんだね」
「はずかしい、みないで」
しずかちゃんが自分の顔を手でふさいでいいました。生まれたばかりなので、素裸だった
からです。
しずかちゃんの10年間が終わり次はジャイアンの番です。
「オギャー、オギャー」「はははーーー」
のび太もスネオもしずかちゃんも笑いました。ごりらの子供そっくりだからです。
「ゴツ!」「なんで 笑うんだよ」
今度はのび太が殴られました。
「しかたないだろ、そっくりなんだも・・・」
「ばかやろ 次は すねおの番だ」「ドラエモン早くしろよ」
「わかった わかった」「オギャー、オギャー」「はははーーーーー」
みんな笑いました。
「なんで笑うんだよ」
「ゴツ!」スネオがジャイアンに殴られました。
「なんでジャイアンに殴られなければ、いけないんだよ!?」
涙めでスネオが言いました。「キツネの子供みたいでおもしろすぎなんだよ」「そんなー
ー」スネオはお母さんに、あまやかされ 何でも買ってもらっている10年間でした。そ
のたびにジャイアンに殴られていました。
「こんなの あるかよ みなきゃよかった」
さあ次はのび太の番です。ドラエモンのび太くん、知らないよ」「いいもん! ぼくはう
らやましがられる事 何もないから」ドラエモンは、のび太くんに機械を近づけました。
「オギャー、オギャー」「はははーーーーー」
みんな笑いました。やがて、のび太の10年は終わりました。「あれ」みんなが言いまし
た。
「なんでのび太の時いったん真っ黒になったんだ?」
「そういえば、そうだね」
「ドラエモン、どうして?」ドラエモンは、急にそわそわして、
「いいの!それは」
みんなは「どうして!どうして!」としつこく聞きました。
ジャイアンが言いました。「あ!わかった、のび太が寝小便たれたんだ、だからドラエモ
ンがわざと隠したんだ」
のび太は「ちがうよ」「ドラエモンちがうよね」
ドラエモンは「ちがうよ ちがうよ」
と言いました。
「それじゃ、みせろよ」
ジャイアンとスネオが言いました。あまりのしつこさにドラエモンが言いました。
「ちがうよ。これはのび太くんと僕の秘密なんだ。みんなにはみせられないんだ。これを
見せれば僕とのび太くんがもう会えなくなって、しまうんだ」
そんな秘密があるなんて今まで知らなかったのび太たちは「そんなの聞いてないよ」
「会えなくなるのなら、私たちだって こまるから、みるの やめようよ」としずかちゃ
ん「僕のつごう悪い事なの?」「いや、そうじゃないけど」
「じゃ 見せてよ」「ドラエモンのばか!今みせてくれなきゃ、一生ジャイアンにいわれ
てしまうじゃないか」「ドラエモンなんか嫌いだ!」
「もうドラエモンなんかいなくていい」
泣きながらのび太は言い続けました。ドラエモンは悲しい顔で言いました。
「そうだね、のび太くんにとって、良いことなんだからね。本当に見たい?、本当に見た
い?」
「僕に良いことだったら見たいに決まってるじゃないか!!会えなくなってもいいから見
させてよ」
のび太の心には、見てもドラエモンに会えないはずは無いと信じていたからです。
「・・・ん・・・本当にいいんだね」
「いいよ」
「わかった見よう」
ドラエモンはもう一度のび太の体に機械をつけようとしました。
「本当に、いいんだね、いいんだね」
ドラエモンは何度も言いました。
「ドラエモンしつこいよ」
「ドラエモンしつこいぞ」とジャイアントスネオ
「のび太さん、本当にいいの?」
「いいんだよ」のび太がそう言うとドラエモンはのび太の体に機械をつけました。そのと
き 近くの交差点のブロック塀の陰から、のび太のお母さんとお父さんがのぞいているの
が のび太の眼にうつりました。
お父さんとお母さんは「ドラちゃん・・いままで ありがとう」・・・・・・・と言って
いるようにのび太には感じました。
「やめよう、いままでどうりでいいよ、ばかにされてもいいよ。やめよう」「のび太くん
遅いよ、のび太くん遅いよ」

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